
2008年のデビューから一世を風靡し続けるポップアイコン、レディー・ガガ。独創的なファッションとパフォーマンスで話題を呼びながらも、その本質は圧倒的な音楽的才能にあります。
エレクトロポップからジャズ、カントリーまで、ジャンルの垣根を軽々と超えてきた彼女の楽曲は、常に時代の最先端を走り続けています。社会的メッセージ、LGBTQ+の権利、心の病気への理解―。音楽を通じて様々な社会問題に光を当て、多くの人々に勇気と希望を与えてきましたよね。
デビュー以来、グラミー賞12回受賞、アカデミー賞受賞という快挙を成し遂げ、ビルボード1位獲得曲は5曲を数える現代最高峰のアーティストの一人です。今回は、そんなLady Gaga(レディー・ガガ)のキャリアから厳選した21曲を、タイプ別にお届けします。それぞれの楽曲に込められた革新性と情熱が、あなたの心に新たな感動をもたらすはずです。
レディー・ガガの代表曲
Bad Romance:一番売れた曲
2009年、アルバム『The Fame Monster』からのリードシングル。世界中で1200万枚以上のセールスを記録し、ガガの最大のヒット曲となりました。
極めて中毒性の高いサビと革新的なミュージックビデオが話題を呼び、ビルボード2位を記録。制作時、ガガは「現代の愛の歪みを表現したかった」と語っています。音楽評論家からは「ポップミュージックの新時代を告げる記念碑的作品」と評されています。
Bloody Mary:奇跡の名曲
時空を超越した奇跡の楽曲、それがレディー・ガガの「Bloody Mary」です。2011年、グレゴリオ聖歌と現代エレクトロニクスが交差する神秘的なサウンドとして誕生したこの楽曲は、12年の時を経て予想もしない形で蘇りました。
2022年、Netflixの「ウェンズデー」でのダンスシーンが火付け役となり、TikTokで爆発的なバイラルを記録。「2011年の楽曲が2023年のスマッシュヒット」という現象は、まさにデジタル時代の音楽史における奇跡的な復活劇。マグダラのマリアの視点から描かれた聖なる闇と踊りが、世代を超えて新たな生命を宿したのです。
楽曲の深層には、ガガ自身の霊的探求が刻まれています。
カトリック教会で育った彼女が、「女性に祈る方が楽だった」として選んだのがマグダラのマリアでした。「マグダラのマリアは完全に神聖であり、完全に人間的だった」というガガの解釈は、愛する人を失う痛みと信仰の狭間で揺れる女性の心を描く!
十字架の前で立ち尽くす聖女の姿は、現代の私たちが抱える愛と喪失の普遍的テーマと重なり合い、時代を超えた共感を呼び起こします。楽曲タイトルは英国女王血なるメアリーを連想させながらも、実際は聖書の女性像を現代に甦らせた革新的な宗教的ポップアートなのです。
Poker Face
2008年、デビューアルバム『The Fame』からの大ヒットシングル。
ビルボード1位を獲得し、世界14ヶ国でチャート1位を記録。エレクトロポップの完成形とも言える楽曲で、キャッチーなメロディーと意味深長な歌詞が特徴です。グラミー賞にもノミネートされ、「2000年代後半を代表するポップソング」のひとつであることは間違いない!
Born This Way
2011年、同名アルバムのタイトル曲。LGBTQ+の権利と自己受容をテーマにした現代のアンセム。
ビルボード1位を獲得し、社会現象にもなりました。マドンナの「Express Yourself」との類似が話題になったものの、強烈なメッセージ性で多くの支持を集めました。「音楽が社会を変える力を証明した楽曲」として高く評価されています。
Shallow
2018年、映画『アリー/ スター誕生』からのデュエット曲。
ブラッドリー・クーパーとの共演で、アカデミー賞歌曲賞を受賞。ビルボード1位を獲得し、ガガの女優としての才能も開花させた記念すべき作品。映画の核心を歌った美しいバラードとして、音楽ファン以外にも広く愛されています。
Just Dance:記念すべきデビューソング
2008年、キャリアを決定づけたデビューシングル。コルビー・オドニスをフィーチャーしたダンスポップの名曲で、ビルボード1位を獲得。
シンプルながら腹に響く深めのビートと、パーティーアンセムとしての完成度の高さで一躍スターダムにのし上がりました。「ガガ現象の出発点」として音楽史に刻まれています。
テンションが上がる曲
Stupid Love
2020年、アルバム『Chromatica』からのリードシングル。4年ぶりのダンスポップ回帰作として大きな話題を呼びました。
90年代ハウスミュージックからインスピレーションを得た楽曲で、ビルボード5位を記録。「愛の力で世界を変える」という普遍的なメッセージが込められており、ファンからは「ガガ様らしさが詰まった完璧な復帰作」と大絶賛された会心作のひとつ!
耳触りがとても心地よく、個人的にも定期的に聴きたくなるガガソングの上位に入ってます♪
Applause
2013年、アルバム『ARTPOP』からのリードシングル。
アートとポップの融合をテーマにした野心的な楽曲で、ビルボード4位を記録。ファンへの感謝の気持ちを歌った歌詞と、実験的でアッパーなサウンドプロダクションが特徴です。ライブパフォーマンスでは観客の大合唱が巻き起こることでも知られていますね!
G.U.Y.
2014年、同じく『ARTPOP』からの楽曲。ジェンダーロールの逆転をテーマにした挑戦的な作品で、7分を超える壮大なミュージックビデオでも話題となりました。
フェミニズム的メッセージと踊りやすいビートの組み合わせが印象的。社会的メッセージとエンターテイメントの完璧な融合とはこの曲のこと!
メッセージ性だけでなく、トラックだけ聴いても成立する説得力の高い楽曲ですね。
Free Woman
2020年、『Chromatica』からの楽曲。女性の自由と解放をテーマにした現代的なフェミニズムアンセム。
BloodPop®のプロデュースによるハウス調のアレンジが特徴で、ダンスフロアでの人気も非常に高い一曲です。ガガ自身は「すべての女性に向けた応援歌」と語っています。
ガガらしさ炸裂!ダンス曲
LoveGame
2009年、『The Fame』からのシングル。セクシャルなメタファーを散りばめた大胆な歌詞と、うねり感がエグ目のエレクトロビートがじわじわ効いてるナンバー!
ビルボード5位を記録し、世界中のクラブで愛され続けています。プロデューサーのRedOneとの黄金コンビが生み出した傑作として、今なお高い人気を誇っています。
Rain on Me
2020年、アリアナ・グランデとのコラボレーション。
『Chromatica』からのシングルで、ビルボード1位を獲得。90年代ハウスの影響を受けたサウンドと、2人の息の合ったボーカルが魅力的。グラミー賞「最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス」を受賞し、「世界が待ち望んだポップコラボレーション」としても価値の高い一作。
911
2020年、『Chromatica』からの楽曲。メンタルヘルスをテーマにした重いトピックを、ダンサブルなビートで表現した意欲作。
精神的な混乱を救急コールに例えた歌詞と、なかなか実験的なサウンドデザインが特徴です。重い社会問題さえもポップミュージックでしっかり表現できるところがガガらしい。
バラード
Million Reasons
2016年、アルバム『Joanne』からのシングル。フィアンセとの破局をきっかけに書かれた心境を歌ったカントリーポップバラード。
ビルボード4位を記録し、無駄に色付けしない素のアコースティックギターを基調としたシンプルなアレンジが印象的です。「ガガの新たな一面を見せた転換点」として新たなファン層にもリーチ!
Til It Happens To You
2015年、ドキュメンタリー映画『The Hunting Ground』のテーマソング。辛い暴行をテーマにした重いトピックを扱い、アカデミー賞歌曲賞にもノミネート。
ガガ自身の体験も反映されており、多くのサバイバーに勇気を与えました。「メインストリームの音楽が社会問題に光を当てる力を示した」と社会的にも確かな評価を受けています。
Always Remember Us This Way
2018年、映画『アリー/ スター誕生』からの楽曲。映画の感動的なシーンで使用され、ガガの歌唱力が存分に発揮された美しいバラード。
ビルボード・ホット100で41位を記録し、映画ファンからも絶大な支持を集めています。どこか懐かしく、ホッとする質感で優しく全身を包んでくれるナンバー。全身の細胞ひとつひとつに染みる!
I'll Never Love Again
2018年、同じく『アリー/ スター誕生』からの楽曲。映画のクライマックスで歌われる感動的なバラードで、ガガの圧倒的な歌唱力が光ります。
失われた愛への想いを歌った切ないメロディーと歌詞が全ての人の心を打ちます。映画史に残るだけでなく、リスナーのリアルな人生に寄り添う傑作スローバラード!
アコースティック・ジャズナンバー
La Vie En Rose
こちらも、2018年の映画『アリー/ スター誕生』でのライブシーン楽曲。
エディット・ピアフの名曲を英語とフランス語で歌い上げた!なんちゃってでは無い、ガガのガチのジャズシンガーとしての才能を開花させました。映画での印象的なパフォーマンスは多くの観客に衝撃を与え、「ガガの隠れた才能を証明した瞬間」として話題となりました。
Joanne
2016年、同名アルバムのタイトル曲。亡くなった叔母への想いを込めたフォークバラードで、ファミリーの絆をテーマにしています。
アコースティックギターとシンプルなパーカッションセクションを基調としたスッキリなアレンジで、ガガの生声の美しさが際立つ楽曲です。「商業性を度外視した純粋な音楽表現」として逆に話題を呼びましたよね。
Love for Sale
2021年、トニー・ベネットとのジャズアルバム『Love for Sale』からのタイトル曲。
御年90歳を超えるジャズレジェンドとの共演で、ガガのジャズへの深い理解と歌唱技術を証明しました。グラミー賞「最優秀トラディショナル・ポップ・ボーカル・アルバム」を受賞し、「世代を超えたジャズミュージックの力」を示した作品として高く評価されています。
番外編:豪華コラボレーション作品
Telephone
2010年、ビヨンセとのコラボレーション。
『The Fame Monster』からのシングルで、世界を背負う2人のポップクイーンの共演として大きな話題を呼びました。10分超えの映画的なミュージックビデオも話題となり、ビルボード3位を記録。「ポップミュージック史上最強のコラボレーション」からは、溢れる熱量だけでなく、圧倒的な余裕すら感じさせてくれます。
いい意味で力が抜けているところがカッコ良い!!
レディー・ガガの代表曲紹介:まとめ
2008年、ニューヨークの小さなクラブで歌っていた一人の女性が、世界最大のポップスターの一人へと駆け上がったサクセスストーリー。レディー・ガガの音楽人生は、常に革新と挑戦の連続でした。エレクトロポップのパイオニアとして時代を切り開き、社会的メッセージを音楽に込め続け、ジャンルの壁を破り続けてきた彼女の功績はもはや一人の人間で実現可能なレベルを超越しています。
本記事で紹介した代表的な21曲は、そんな彼女の多彩な才能のほんの一部に過ぎません。『Bad Romance』『Poker Face』で示したポップミュージックの新境地から、『Born This Way』で掲げた社会的メッセージ、『Shallow』で証明した女優としての才能まで。一つひとつの楽曲が、彼女の人生における重要な転換点を物語っています。
トニー・ベネット、ブラッドリー・クーパー、アリアナ・グランデ、エルトン・ジョンなど、ジャンルや世代を超えた共演者たちとの化学反応も、ガガの音楽の大きな魅力の一つです。ジャズからカントリー、映画音楽まで、彼女の音楽的冒険は留まることを知らない!
グラミー賞12回受賞、アカデミー賞受賞、ゴールデングローブ賞受賞という栄誉に輝きながらも、彼女の真価はその数字を超えたところにあります。LGBTQ+の権利擁護、メンタルヘルスへの理解促進、女性の地位向上など、音楽を通じて社会に変革をもたらし続けてきたアクティビストとしての側面こそが、レディー・ガガの最も重要な遺産と言えるでしょう。
2020年代に入り、さらなる音楽的進化を続ける彼女。本記事で紹介した名曲の数々は、未来の音楽家たちにとっての道標となり、新たなインスピレーションの源となっていくことでしょう。時代を超えて愛され続ける、真のポップアイコンとして。
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