アフィリエイト広告を利用しています

ロック

オススメは?シカゴの名盤TOP5と初心者向けベストアルバム

1967年、シカゴ・トランジット・オーソリティという名前で結成されたバンドが、半世紀以上にわたって音楽界に革命をもたらし続けています。ロックにブラス・セクションを本格的に導入した先駆者として、またAORの創始者として、シカゴは単なる商業バンドの枠を超えた米国ロック史上の巨人です。

グラミー賞受賞、ロックの殿堂入り、そして全世界累計1億枚を超えるセールスを記録する彼らの楽曲群は、時代を超越した普遍的な美しさを持っています。ホーン・セクションが織りなす豊かなハーモニーと、洗練されたポップ・センス、そして卓越した演奏技術——これらが三位一体となって生み出される音楽は、まさに「シカゴ・サウンド」と呼ぶべき独自の世界を築き上げました。

実験的なジャズ・ロックから始まり、ソフト・ロック、AOR、バラードまで。シカゴの音楽は、アメリカン・ポップスの変遷を映し出す生きた教科書のように、常に時代の最先端を走り続けてきました。今回は、そんな彼らの音楽世界への扉となる、珠玉のアルバムをご紹介します。

ロック史の重要な一ページを刻んだ名盤から、初心者にも親しみやすい楽曲まで、シカゴの魅力を余すところなくお伝えします。

シカゴの名盤TOP5

Chicago Transit Authority - ジャズ・ロック革命の幕開けを告げた記念碑

1969年発売のデビュー・アルバムは、ロック史上最も革新的な作品の一つとして、今なお語り継がれる歴史的名盤です。プロデューサーにジェームス・ウィリアム・ガルシオを迎え、ロックバンドとしては前例のないホーン・セクションを全面的にフィーチャーした実験的なサウンドを構築しました。

代表曲「Questions 67 and 68」では7分を超える演奏時間の中で、ジャズとロックの境界線を自在に行き来する革新的なアプローチを披露。「Beginnings」では後のシカゴ・サウンドの原型となる、メロディアスなボーカルとブラス・アレンジの完璧な融合を実現しました。

全米17位というデビュー作としては異例のヒットを記録し、ゴールド認定を獲得。「ロックの新境地を開いた画期的作品」として絶賛され、ローリング・ストーン誌は「アメリカン・ロックの新章」と評価しました。

Chicago II - 創造性と商業性の完璧なバランスを実現した最高傑作

1970年発売の2ndアルバムは、バンドの創造性が最高潮に達した永遠の名盤です。前作の実験性を保ちながら、より洗練されたソングライティングと演奏技術を披露し、ジャズ・ロックの完成形を提示しました。

「25 or 6 to 4」はシカゴの代名詞となったロック・アンセムとして、テリー・キャスのギターとホーン・セクションが火花を散らす圧巻の演奏を収録。「Colour My World」では一転して繊細なバラードで、バンドの音楽的幅の広さを証明しました。「Make Me Smile」は組曲形式の大作として、プログレッシブ・ロックの要素も取り入れています。

全米4位の大ヒットを記録し、プラチナ認定を獲得。評論家は「ジャズ・ロックの金字塔」と評し、オールミュージック・ガイドでは5つ星の最高評価を与えています。現在でも多くのミュージシャンに影響を与え続ける、シカゴの最高到達点です。

Chicago V - AORの先駆けとなった革新的サウンド・デザイン

created by Rinker
ワーナーミュージックジャパン

1972年発売の5thアルバムは、後にAOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)と呼ばれることになるジャンルの礎を築いた先見性あふれる作品です。プロデューサーにジェームス・ウィリアム・ガルシオを再び迎え、より洗練されたスタジオ・ワークと緻密なアレンジメントを追求しました。

「Saturday in the Park」は夏の午後の心地よさを音楽で表現した珠玉のポップソングとして、全米3位の大ヒットを記録。「Dialogue (Part I & II)」では社会派の歌詞とファンキーなグルーヴを組み合わせ、音楽の持つメッセージ性を強く打ち出しました。

全米1位を獲得した初のアルバムとなり、ゴールド認定を受けました。「商業性とアーティスト性の完璧な両立」として評価され、後のAORシーンの発展に多大な影響を与えた重要な作品となっています。

Chicago 17 - 80年代サウンドを取り入れた華麗なる復活劇

created by Rinker
ワーナーミュージックジャパン

1984年発売の17thアルバムは、メンバー・チェンジや音楽的迷走期を経て、バンドが見事な復活を遂げた感動的な作品です。プロデューサーにデヴィッド・フォスターを迎え、80年代のモダンなプロダクションと伝統的なシカゴ・サウンドを巧みに融合させました。

「Hard to Say I'm Sorry」「Love Me Tomorrow」では、ピーター・セテラの甘美なボーカルと洗練されたバラード・アレンジが完璧に調和し、大人のラブソングとして多くの支持を獲得。「Stay the Night」では80年代らしいシンセサイザーを効果的に使用し、時代に合った新しいシカゴ像を提示しました。

全米4位のヒットを記録し、マルチプラチナを獲得。グラミー賞でも複数部門にノミネートされ、「シカゴの第二の黄金期」の始まりを告げる重要な作品として位置づけられています。

Chicago 19 - バラードの美学を極めた円熟の境地

created by Rinker
ワーナーミュージックジャパン

1988年発売の19thアルバムは、バンドのバラード制作能力が結実した、メロディの宝庫とも呼べる名盤です。プロデューサーには再びデヴィッド・フォスターが参加し(二人三脚の足並みが揃った)、アダルト・コンテンポラリーの最高峰とも言える洗練されたサウンドを完成させています。

「Look Away」は全米1位を獲得したバンド史上最大のヒット・シングルとして、ピーター・セテラ脱退後の新体制での成功を印象づけました。「You're Not Alone」「What Kind of Man Would I Be?」では、新ボーカルのビル・チャンプリンとジェイソン・シェフの魅力が存分に発揮されています。

全米37位を記録し、プラチナ認定を受けました。「成熟したバンドの理想的な進化形」として評価され、80年代後期のアダルト・ミュージック・シーンにおける重要な作品として認識されています。キラキラサウンドがお好きな人は絶対好き!

初心者向けベストアルバム

The Very Best of Chicago: Only the Beginning - 全キャリアを俯瞰する究極のコンピレーション

2002年発売の公式ベスト・アルバム。デビューから2000年代初頭まで、35年以上にわたるキャリアの代表曲を厳選した最も包括的なコンピレーション作品です。

時系列順に構成されており、「25 or 6 to 4」から「Here in My Heart」まで、シカゴの音楽的変遷を一枚で体験できます。特に70年代から80年代にかけての楽曲では、ジャズ・ロックからAORへの華麗なる転身ぶりを確認でき、アメリカン・ポップスの歴史そのものを感じ取ることができます。

世界中で200万枚以上のセールスを記録し、Amazon Music、Spotifyでは「クラシック・ロック入門編」として常に上位にランクイン。新規ファンの獲得に大きく貢献している決定盤です。

Chicago's Greatest Hits 1982-1989 - 80年代黄金期の魅力を凝縮

created by Rinker
Warner Music Interna

1989年発売のベスト・アルバム。デヴィッド・フォスター・プロデュースによる80年代の代表作から厳選された、最もポップで親しみやすい楽曲集です。

「Hard to Say I'm Sorry」「Hard Habit to Break」「You're the Inspiration」といった80年代を代表するバラード群から、「Stay the Night」「Look Away」などのモダンなロック・ナンバーまで、この時期のシカゴの魅力を余すところなく収録。AORファンにとっては必携の一枚となっています。

全米71位を記録し、プラチナ認定を獲得。ファンからも「80年代シカゴの完璧なガイドブック」として評価され、この時代の楽曲から入るファンが多いことを裏付けています。

おすすめライブアルバム

Chicago at Carnegie Hall - 音楽史に残る伝説のパフォーマンス

1971年発売の4枚組ライブ・アルバム。ニューヨークの名門カーネギー・ホールで行われた歴史的コンサートを完全収録した、ロック史上屈指のライブ録音です。

クラシック音楽の殿堂で披露されたロック・パフォーマンスは、当時としては極めて画期的な試みでした。スタジオ版以上にダイナミックな演奏と、観客との一体感が見事に収録されており、70年代初頭のシカゴの圧倒的なライブ・パワーを体感できます。

全米3位の大ヒットを記録し、ライブ・アルバムとしては異例の商業的成功を収めました。現在でも多くのミュージシャンが参考にする名盤として愛され続けています。

Chicago Live in Japan - 現在進行形の円熟を示す感動のライブ

created by Rinker
ワーナーミュージックジャパン

シカゴが1972年に日本の地で刻んだ熱狂の記録、それがアルバム『シカゴ・ライヴ・イン・ジャパン』です。単なるライブアルバムに留まらない、ブラスロックの金字塔を打ち立てた彼らの真髄が凝縮されています。

このアルバムの最大の魅力は、その「音のリアリティ」。まるで目の前にメンバーがいるかのような臨場感は、当時の日本のオーディエンスが共有した興奮を現代に伝えるタイムカプセルのようです。ウォルター・パラゼイダーが「カーネギー・ホールの音より数段いい」と評したほど、音質へのこだわりは尋常ではありません。

さらに、特筆すべきは「ロウダウン」や「クエスチョンズ67/68」の日本語バージョンが収録されている点です。これは単なるサービス精神に留まらず、異国の地でオーディエンスと心を通わせようとした彼らの真摯な姿勢の表れ。言葉の壁を越え、音楽で一体となる瞬間は、まさに奇跡と言えるでしょう。

初心者向けシカゴ入門

シカゴの魅力とは?

シカゴの最大の魅力は、ホーン・セクションとロック・バンドの完璧な融合にあります。トランペット、トロンボーン、サックスが織りなす豊かなハーモニーと、ギター、ベース、ドラムスの力強いリズムが一体となって生み出される「シカゴ・サウンド」は、他のどのバンドも真似することのできない独自性を持っています。

また、メンバー全員が優れたソングライターであることも特筆すべき点です。ロバート・ラム、テリー・キャス、ピーター・セテラなど、それぞれが異なる個性を持ちながら、バンド全体としての統一感を保ってきました。この多様性こそが、50年以上にわたって音楽界の第一線で活動し続ける原動力となっています。

さらに、実験性と商業性のバランス感覚も見逃せません。前衛的なジャズ・ロックから親しみやすいポップ・バラードまで、幅広い音楽性を自在に行き来する能力は、現代のアーティストたちにとっても学ぶべき点が多いといえるでしょう。

シカゴのアルバムの選び方

シカゴのアルバムを選ぶ際は、聴きたい時代やムードを明確にすることをお勧めします。

実験的なジャズ・ロックを味わいたいなら → 「Chicago Transit Authority」「Chicago II」
洗練されたポップスを楽しみたいなら → 「Chicago V」「Chicago VII」
80年代AORの魅力を感じたいなら → 「Chicago 17」「Chicago 19」
バンドの全体像を把握したいなら → 「The Very Best of Chicago: Only the Beginning」
ライブの迫力を体験したいなら → 「Chicago at Carnegie Hall」

初心者の方には、まず「The Very Best of Chicago」で全体像を把握し、興味を持った時期のオリジナル・アルバムに進むのが効果的です。

シカゴのアルバム売上とその影響

シカゴの全世界累計セールスは1億枚を超え、アメリカン・ロック・バンドとしては最高レベルの商業的成功を収めています。特に70年代の一連のアルバムは、それぞれが数百万枚のセールスを記録し、当時のアルバム・チャートを席巻しました。

彼らの影響力は、音楽業界全体に及んでいます。ホーン・セクションを持つロック・バンドという概念を確立し、ブラッド・スウェット&ティアーズ、チェイス、タワー・オブ・パワーなど、多くのフォロワーを生み出しました。また、AORというジャンルの創始者として、後のボストン、フォリナー、ジャーニーなどに多大な影響を与えています。

演奏技術の面でも、プロ・ミュージシャンたちの憧れの存在であり続けています。特にホーン・セクションの編曲技法は、現在でもビッグ・バンド・ジャズやR&Bシーンで研究され、応用されています。バンドとオーケストラの融合という発想は、後のシンフォニック・ロックやプログレッシブ・ロックの発展にも寄与しました。

さらに、50年以上にわたって現役で活動し続ける姿勢は、多くのベテラン・バンドにとってのロール・モデルとなっています。メンバー・チェンジを乗り越えながらも、バンドのアイデンティティを保ち続ける手法は、音楽業界における貴重な成功例として語り継がれています。

まとめ:初心者がシカゴを聴くなら、この名盤とベスト盤から!

シカゴの音楽は、アメリカン・ポップスの豊かな歴史そのものです。その多様性と一貫性の両立は、どこから手をつけるべきか迷わせるかもしれませんが、それこそが半世紀以上愛され続ける理由でもあります。

入門編としては、「The Very Best of Chicago: Only the Beginning」から始めることを強くお勧めします。バンドの全キャリアを一枚で体験でき、あなたの心に響く時代や楽曲スタイルを発見できるでしょう。その後、興味を持った時期のオリジナル・アルバムに進んでいけば、より深くシカゴの音楽世界を理解できるはずです。

特に注目すべきは、「Chicago II」と「Chicago 17」の2枚。前者ではジャズ・ロックの革新性を、後者では80年代AORの洗練を感じることができます。この2枚を聴けば、シカゴがいかに時代を先取りしながら、常に高い音楽性を保ってきたかを理解できるでしょう。

そして、時には初期の実験作品に挑戦して、ロック史に残る革新性を体験することも、きっと貴重な音楽体験となるはずです。

最後に、シカゴの音楽には「永続性」というキーワードが常に付きまといます。流行に左右されることなく、自分たちの音楽を貫き通してきた姿勢は、音楽の本質的な価値を教えてくれます。彼らの楽曲と同じように、あなた自身の人生のサウンドトラックとして、長く愛され続ける発見があることでしょう。

ぜひ、あなたなりのペースで、あなたなりの順番で、シカゴの音楽世界を探索してみてください。そこには、時代を超えて愛される音楽の真髄と、アメリカン・ポップスの最も美しい瞬間が待っているはずです。

【関連記事】

シカゴの名曲21選!代表曲からバラードまでタイプ別に一挙ご紹介

バンド「シカゴ」完全ガイド:ホーンロックの革命と現在までの軌跡

〈PR〉

-ロック
-