
カリフォルニア州サンタバーバラで生まれ育った一人の少女が、家族の反対を押し切って音楽の道を歩み始めた時、彼女は自分が世界中の人々に愛されるポップスターになるとは想像もしていなかっただろう――。
クリスチャン・ゴスペル歌手として音楽キャリアをスタートさせたケイティ・ペリーが、「I Kissed a Girl」で一夜にして世界的センセーションを巻き起こし、「Roar」で女性の自立を高らかに歌い上げ、「Firework」で自己肯定と希望のメッセージを世界に届けるまでの軌跡は、まさに現代ポップスの歴史そのものだ。
カラフルで大胆なファッション、ユーモア溢れるミュージックビデオ、そしてなによりパワフルなボーカルで、2010年代のポップシーンを牽引し続けた彼女の存在は、音楽業界に革新をもたらした。保守的な環境から飛び出し、自分らしさを貫き通す姿勢は、世界中の女性たちに勇気と希望を与え続けています。
本記事では、そんな彼女の多彩な楽曲から厳選した21曲を、様々なタイプ別に分けて深く掘り下げていきます!
世界を席巻した代表的ヒット曲
I Kissed a Girl ~禁断のキスが巻き起こした社会現象
2008年4月、アルバム『One of the Boys』からのリードシングルとして発表された「I Kissed a Girl」は、ケイティ・ペリーを一躍世界的スターダムに押し上げた記念すべき楽曲です。同性との実験的なキスを歌ったこの曲は、保守的な価値観に挑戦する大胆なメッセージで、当時大きな議論を呼びました。
全米チャートで7週連続1位を記録し、世界20カ国以上でトップの座を獲得。YouTubeでの再生回数は3億回を超え、2000年代後半を代表する楽曲として音楽史に刻まれています。「勇気をもらった」という多くの女性ファンの声が示すように、性的アイデンティティの多様性について考えるきっかけを提供した革新的な作品です。
Roar ~自分らしく生きることの力強いアンセム
2013年8月、アルバム『Prism』からの先行シングルとして発表された「Roar」は、困難を乗り越えて自分の力で立ち上がることを歌った現代的なエンパワーメント・ソングです。離婚を経験したケイティの実体験が反映されたこの楽曲は、世界中の女性たちの心に深く響きました。
ビルボードホット100で2週連続1位を獲得し、85カ国のiTunesチャートで1位を記録。ミュージックビデオは40億回以上再生され、現在でも女性の自立と成長を象徴する楽曲として高い支持を得ています。特に「自分の声を取り戻せた」というメッセージは、多くの人々の人生に影響を与えています。
Firework ~希望の光を灯す永遠の名曲
2010年10月リリースの「Firework」は、自分自身の内なる光を信じることの大切さを歌った感動的なアンセムです。自己肯定感の重要性を美しいメタファーで表現したこの楽曲は、世界中の人々に勇気と希望を与え続けています。
全米チャートで4週連続1位を記録し、グラミー賞にも2部門でノミネート。特に印象的なのは、多様なバックグラウンドを持つ人々が登場するミュージックビデオで、「すべての人にはかけがえのない価値がある」というメッセージを視覚的に表現しています。現在でも卒業式や励ましのシーンで愛用される、現代のスタンダード・ナンバーです。
個人的にはケイティ・ペリーの曲でこの曲が一番好き!!
California Gurls ~夏の定番となった爽快ポップス
2010年5月、スヌープ・ドッグをフィーチャーした「California Gurls」は、西海岸のライフスタイルを歌った爽快感溢れるサマーアンセムです。ケイティの故郷カリフォルニアへの愛情が込められたこの楽曲は、キャンディーをテーマにしたカラフルなミュージックビデオとともに大きな話題となりました。
ビルボードホット100で6週連続1位を記録し、夏の定番ソングとして定着。現在でもビーチパーティーや夏フェスで必ず盛り上がる楽曲として、多くのDJに愛用されています。ポップでキャッチーなメロディは、聴く人すべてを明るい気持ちにさせる魔法のような力を持っています。
Teenage Dream ~青春の甘酸っぱさを歌った珠玉のラブソング
2010年7月リリースの「Teenage Dream」は、永遠に続くかのような恋の高揚感を歌った美しいラブバラードです。同名アルバムのタイトル曲でもあるこの楽曲は、青春時代の純粋な恋愛感情を詩的に表現し、多くのカップルに愛される楽曲となりました。
全米チャートで最高位7位を記録し、現在でもプロポーズのシーンで使用される人気の高いラブソングです。「初恋の気持ちを思い出す」という多くのファンの声が示すように、年齢を問わず愛され続ける普遍的な魅力を持った作品です。
Dark Horse ~東洋的ミステリアスさが魅力のダンストラック
2013年12月、ジューシー・Jをフィーチャーした「Dark Horse」は、古代エジプトをテーマにしたミステリアスなダンストラックです。トラップビートとポップメロディの絶妙な融合により、これまでのケイティ・ペリーにはない神秘的な魅力を見せつけました。
ビルボードホット100で4週連続1位を記録し、世界各国のクラブシーンで大ブレイク。エキゾチックなミュージックビデオは40億回以上再生され、ケイティの音楽的多様性を示す重要な作品として評価されています。
パーティーを盛り上げるダンストラック
Last Friday Night (T.G.I.F.) ~週末の開放感を歌った最高のパーティーソング
2011年6月リリースの「Last Friday Night (T.G.I.F.)」は、金曜日の夜の無邪気な騒ぎを歌った究極のパーティーアンセムです。記憶が飛ぶほど楽しんだ夜の出来事を歌詞にしたこの楽曲は、週末を心待ちにする世界中の人々の共感を呼びました。
ビルボードホット100で2週連続1位を記録し、特に若い世代を中心に絶大な支持を獲得。80年代風のシンセサウンドとキャッチーなコーラスが印象的で、現在でもクラブの定番曲として高い人気を誇っています。
Swish Swish ~ニッキー・ミナージュとの話題のコラボ
2017年5月、ニッキー・ミナージュをフィーチャーした「Swish Swish」は、バスケットボールをメタファーにしたパワフルなダンストラックです。批判に対する強気な返答を歌ったこの楽曲は、ケイティの負けん気の強さを印象的に表現しています。
EDMとヒップホップの要素を融合したサウンドは多くのクラブで支持され、特にフェスティバルシーンでの盛り上がりは圧巻です。モチベーション・アップソングとしても最高の一曲!
E.T. ~カニエ・ウェストとの未来的コラボレーション
2011年2月、カニエ・ウェストをフィーチャーした「E.T.」は、宇宙的な愛をテーマにした未来的なダンストラックです。SFチックな歌詞とエレクトロニックなサウンドが見事に融合し、これまでにない世界観を創り出しました。
ビルボードホット100で5週連続1位を記録し、宇宙をテーマにしたミュージックビデオも大きな話題となりました。現在でもクラブ界隈での人気は高く、特にEDMイベントでは欠かせない楽曲として定着しています。
Wide Awake ~覚醒をテーマにした力強いダンスポップ
2012年5月リリースの「Wide Awake」は、現実に目覚めることをテーマにした力強いダンスポップです。夢から覚めた時の明晰さを歌ったこの楽曲は、人生の転換点を迎えた多くの人々に勇気を与えました。
ダークなビートとケイティの力強いボーカルが印象的で、全米チャートで最高位2位を記録。現在でもワークアウトや motivational プレイリストの定番として愛され続けています。
Chained to the Rhythm ~スキップ・マーリーとの社会派ダンストラック
2017年2月、スキップ・マーリーをフィーチャーした「Chained to the Rhythm」は、現代社会の問題を踊れるビートに乗せて歌った意義深い楽曲です。表面的には明るいダンストラックでありながら、深いメッセージ性を持った革新的な作品となっています。
レゲエとポップスの融合が印象的で、社会問題への意識を高めながらも楽しめる楽曲として高い評価を受けています。現在でもフェスティバルでの盛り上がりは格別で、「踊りながら考えさせられる」という独特の体験を提供しています。
Never Really Over ~復活を告げる現代的ダンスアンセム
2019年5月リリースの「Never Really Over」は、恋愛関係の複雑さをテーマにした洗練されたダンストラックです。別れた相手への複雑な感情を率直に歌ったこの楽曲は、大人の恋愛を描いた成熟した作品として注目を集めました。
モダンなサウンドプロダクションとケイティの進化したボーカルが印象的で、ストリーミング時代の新しいポップスの形を提示した重要な作品です。現在でもクラブでの支持は高く、特にミレニアル世代から絶大な人気を得ています。
心に響くエモーショナルなバラード
The One That Got Away ~切ない恋の記憶を歌った名バラード
2011年10月リリースの「The One That Got Away」は、失った恋への想いを歌った感動的なバラードです。「もしも」という仮定の下で展開される物語は、多くの人の心の奥底に眠る記憶を呼び覚まし、深い共感を呼びました。
全米チャートで最高位3位を記録し、特に大人の女性から高い支持を獲得。ノスタルジックなメロディとケイティの感情豊かな歌声が見事にマッチし、現在でも多くのカバーバージョンが生まれ続ける名曲として愛されています。
Unconditionally ~無条件の愛を歌った美しいラブソング
2013年10月リリースの「Unconditionally」は、相手をありのまま受け入れる無条件の愛を歌った美しいバラードです。シンプルかつ壮大なアレンジをベースに、ケイティの力強くも繊細なボーカルが響く構成となっています。
結婚式で使用される機会も多く、「愛の本質を歌った名曲」として多くのカップルに愛され続けています。宗教的なバックグラウンドを持つケイティならではの、スピリチュアルな愛の表現が印象的な楽曲です。
By the Grace of God ~困難を乗り越える希望の歌
2014年12月リリースの「By the Grace of God」は、人生の困難な時期を神の恩寵によって乗り越えることを歌った深いメッセージ性を持つバラードです。離婚や精神的な苦痛を経験したケイティの実体験が反映された、極めて個人的な楽曲となっています。
ゴスペル風のアレンジとケイティの魂のこもった歌声が心に響き、「辛い時期の支えになった」という多くのファンの声が寄せられています。信仰と音楽の力を改めて感じさせる、感動的な作品です。
What Makes a Woman ~女性らしさの本質を問う現代的バラード
2020年8月、アルバム『Smile』に収録された「What Makes a Woman」は、真の女性らしさとは何かを問いかける深い楽曲です。母性、強さ、優しさなど、女性の多面性を美しいメロディに乗せて歌い上げています。
妊娠中に書かれたとされるこの楽曲は、女性のライフステージの変化と成長を描いた現代的なアンテムとして注目を集めています。「女性であることの誇りを感じる」という感想が多く寄せられる、エンパワーメント・ソングでもあります。
進化を続ける最新の楽曲群
Smile ~困難を乗り越えた後の希望を歌ったタイトル曲
2020年7月、同名アルバムのタイトル曲として発表された「Smile」は、うつ病との闘いを乗り越えた後の希望と回復を歌った感動的な楽曲です。メンタルヘルスの問題を率直に歌詞にしたこの作品は、多くの人々に勇気を与えました。
アップビートなメロディとポジティブなメッセージが印象的で、「シンプルに元気をもらった!」という感謝の声が数多く寄せられています。困難な時期を経験した人々にとって、希望の光となる現代的なアンセムです。
Harleys in Hawaii ~恋人との幸せな時間を歌ったトロピカル・ポップ
2019年10月リリースの「Harleys in Hawaii」は、恋人との幸せな時間をハワイを舞台に歌ったロマンチックな楽曲です。トロピカルハウスの要素を取り入れたサウンドは、新しいケイティ・ペリーの魅力を示しています。
夫オーランド・ブルームとの関係をインスパイアしたとされるこの楽曲は、大人の恋愛の幸せを歌った成熟した作品として評価されています。リラックスした雰囲気と美しいメロディは、多くのカップルに愛される現代のラブソングです。
Resilient ~困難に立ち向かう強さを歌ったエンパワーメント・ソング
2020年7月、アルバム『Smile』に収録された「Resilient」は、人生の困難に立ち向かう強さとレジリエンス(回復力)をテーマにした力強い楽曲です。ケイティ自身の体験を基に書かれたこの曲は、現代社会を生きる多くの人々に勇気を与えています。
ロックな歌いまわしとポップスの要素を融合したサウンドは、これまでのケイティ・ペリーにはない新しい音楽性を示しており、「困難を乗り越える力をもらった」という多くのファンの声が印象的です。MVも最高すぎる♪
Electric ~愛の電撃的な出会いを歌ったモダン・ラブソング
2024年1月にリリースされた「Electric」は、電撃的な恋の始まりを現代的なサウンドで表現した最新楽曲です。エレクトロポップの要素を取り入れながらも、ケイティらしいポップセンスが光る作品となっています。
ストリーミング時代の新しいポップスの形を追求したこの楽曲は、特にGen Zを中心に高い支持を得ており、TikTokでも話題となっています。進化を続けるケイティ・ペリーの現在形を示す重要な作品です。
Lifetimes ~母となったケイティの新しい一面
2024年8月リリースの最新曲「Lifetimes」は、何度生まれ変わっても愛し続けることを誓った究極のラブバラードです。家族への深い愛情を歌ったこの楽曲は、母となったケイティの新しい一面を示しています。
ある意味、原点回帰したとも言えるし、ケイティ・ペリーの音楽的成熟を示す、現在の代表作の一つといえるでしょう。
ケイティ・ペリーの名曲:まとめ
カリフォルニア州サンタバーバラの小さな教会で歌い始めた一人の少女は、今や世界中の人々に愛される偉大なポップアーティストとなりました。
「I Kissed a Girl」で保守的な価値観に挑戦し、「Roar」で女性の自立を高らかに歌い上げ、「Firework」で自己肯定の大切さを世界に伝えました。パーティーを盛り上げる「California Gurls」から心の奥底に響く「The One That Got Away」まで、彼女の音楽は時代の空気を捉え、人々の心に深く刻まれ続けています。
ケイティ・ペリーの真の魅力は、その圧倒的な歌唱力とポップセンスだけでなく、常に新しい挑戦を続ける勇気にあります。クリスチャン・ゴスペルからメインストリーム・ポップ、そしてエレクトロニック・ダンス・ミュージックまで、常に自分らしさを貫き通してきました。
愛と成長、挫折と希望、そして何より「自分らしく生きること」の大切さ――。ケイティの楽曲は、現代を生きる私たちの心の変化と成長に寄り添い、時には勇気を与え、時には慰めを与えてくれます。そして世界中の人々の人生に影響を与え、新しい可能性と希望を提示し続けています。
母となった現在も進化を続ける彼女が、今後どのような新しい音楽体験を届けてくれるのか、期待は膨らむばかりです!