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ロック

クイーン「Sheer Heart Attack」:3枚目のアルバムを解説。収録曲とレビュー

「Sheer Heart Attack QUEEN アルバム解説」と記載したアイキャッチ

クイーンのサードアルバム「Sheer Heart Attack - シアー・ハート・アタック」は、バンドが世界的な成功を収めるきっかけとなった重要な転換点です。

このアルバムは、彼らの音楽的範囲を大きく広げ、クイーンの特徴である多様性と実験精神を前面に押し出しています。
本記事では、「Sheer Heart Attack」の魅力を深く掘り下げ、その概要から収録曲、アルバムが受けた評価に至るまでを詳しく解説します。

QUEENのサードアルバム「Sheer Heart Attack - シアー・ハート・アタック」概要

販売年月日: 1974年11月8日
収録曲数: 全13曲
セールス: イギリスとアメリカでゴールドディスクに認定
アルバムの特色: クイーンの音楽性の多様性が顕著に表れたアルバムで、ハードロックからバラード、キャッチーなポップソングまで幅広いジャンルをカバー。特に「Killer Queen」は世界的なヒットとなり、クイーンの代名詞的楽曲の一つとなった。
参加メンバー: フレディ・マーキュリー、ブライアン・メイ、ロジャー・テイラー、ジョン・ディーコン
プロデューサー: ロイ・トーマス・ベイカー、クイーン
エンジニア: マイク・ストーン(レコーディングエンジニア)、ジェフ・ワークマン、ジョン・ハーマン(アシスタントエンジニア)
収録スタジオ:トライデント・スタジオズ、エア・スタジオズ、ロックフィールド・スタジオ、ウェセックス・スタジオ
レーベル: EMI Records、Elektra Records

※特別なエディションに関しては、1991年にリマスター版がリリースされ、ボーナストラックや未発表のテイクが追加された。さらに、バンドの結成40周年を記念して2011年に再リマスター版が発売され、当時のレコーディングセッションからのレアトラックやライブバージョンが含まれたデラックスエディションもリリースされています。

収録曲:解説とレビュー

1.「Brighton Rock」(ブライトン・ロック)

作詞作曲: ブライアン・メイ

この楽曲は、ブライアン・メイの独創的なギターワークが光る壮大なオープニングトラックです。
彼の技巧を駆使したソロパートや16分で刻むリフは耳に焼き付いて離れない。

英国の海辺の町ブライトンを舞台にした若者たちの恋愛模様を描いた歌詞と、ロックオペラを彷彿とさせる楽曲の展開は、聴く者を瞬く間にその世界へと誘います。このトラックは、クイーンのライブパフォーマンスでも大きな見せ場となり、後のギターヒーローたちに多大な影響を与えました。

2.「Killer Queen」(キラー・クイーン)

作詞作曲: フレディ・マーキュリー

「Killer Queen」は、フレディ・マーキュリーの洗練された作詞作曲の才能が全開になった楽曲で、クイーンの音楽的アイデンティティを世界に印象づけた代表作です。

華麗なアレンジとキャッチーなメロディライン、フレディの魅力的なボーカルが融合し、高級なシャンパンのように華やかで心地よい余韻を残します。
この曲は、社会的な風刺を込めた歌詞とポップなサウンドが見事にマッチしており、ロックミュージックにおけるポップセンスの妙を存分に味わうことができます。

特に、さりげないギターのオブリガードと2段階構成のギターソロは、「歌うように弾く」ブライアンメイの真骨頂。

3.「Tenement Funster」(テナメント・ファンスター)

作詞作曲: ロジャー・テイラー

ドラマーのロジャー・テイラーがリードボーカルを務めるこの曲は、青春の反抗と自由への憧れを描いた作品です。

ロジャー特有の粗削りで力強いボーカルが、若者の心情を直接的に表現しており、ソングライターとしての才能が光る一曲となっています。「Tenement Funster」は、クイーンの楽曲の中でも異色の存在感を放ち、バンドの音楽的幅広さを示す好例です。

4.「Flick of the Wrist」(フリック・オブ・ザ・リスト)

作詞作曲: フレディ・マーキュリー

「Flick of the Wrist」は、フレディ・マーキュリーの独特の世界観が色濃く反映された楽曲です。

社会批判的なメッセージを込めた歌詞と複雑な楽曲構造が特徴で、クイーンの実験的な側面を感じさせます。このトラックは、聴く者を圧倒するエネルギッシュなサウンドやインド風音階のスパイスも入ったり、予測不可能な展開を繰り返すことでも魅了し、バンドの職人性の高さを再認識させてくれます。

5.「Lily of the Valley」(谷間のゆり)

作詞作曲: フレディ・マーキュリー

この楽曲では、フレディ・マーキュリーが繊細なピアノ演奏と、徐々に絞り出すようなボーカルで、失われた愛と希望について歌っています。

「Lily of the Valley」は、その美しいメロディラインと詩的な歌詞で、聴く者の心に深く寄り添うバラードです。
フレディの豊かな感情表現が、この曲を通じて存分に発揮されており、クイーンの楽曲の中でも特に感動的な作品として多くのファンに愛され続けています。

映画の劇伴のような味わいも良い。

6.「Now I'm Here」(ナウ・アイム・ヒア)

作詞作曲: ブライアン・メイ

アメリカツアー中にブライアン・メイが書いたという「Now I'm Here」は、パワフルなギターリフとダイナミックな構成が印象的なロックナンバーです。

この曲は、クイーンのライブでのエネルギーとグループとしての団結力を象徴する作品と言えます。
疾走感あふれるリズムとブライアンのギターソロ、フレディの迫力あるボーカルが融合し、ライブパフォーマンスで観客を魅了し続ける楽曲です。

シンプルなロックンロールも、クイーン流の解釈と料理次第でここまでカラフルになるという証明にもなっています。

7.「In the Lap of the Gods」(神々の業)

作詞作曲: フレディ・マーキュリー

フレディ・マーキュリーが紡ぎ出したこの曲は、クイーンの音楽におけるスケールの大きさと実験性が見事に融合した一作です。
天上的なコーラスとドラマティックなアレンジが特徴で、聴く者を幻想的な世界へと誘います。

歌詞は運命の不確かさと人間の無力さを描いており、マーキュリーの内省的な一面を垣間見ることができます。このトラックは、バンドが後にさらに探求することになる、オペラティックなロックの初期の試みの一つと言えるでしょう。

8.「Stone Cold Crazy」(ストーン・コールド・クレイジー)

作詞作曲: クイーン

この楽曲は、クイーンによる初期のヘヴィメタルの影響を受けた速弾きギターと激しいリズムが特徴の一曲です。

四人のメンバー全員による作曲で、その鋭い歌詞とブレイクは、後のハードロックやメタルバンドに大きな影響を与えました。迫力ある演奏と疾走感あふれるメロディは、聴く者に強烈な印象を残します。
「Stone Cold Crazy」は、クイーンの多様な音楽性を示す上で欠かせない楽曲であり、ライブでもファンに大いに愛されています。

9.「Dear Friends」(ディア・フレンズ)

作詞作曲: ブライアン・メイ

ブライアン・メイの温かみのある声とシンプルなピアノ伴奏が印象的なバラードです。
「Dear Friends」は、その穏やかなメロディと心温まる歌詞で、バンドメンバー間の絆や友情を感じさせる一曲。

この楽曲は、アルバムの中で一息つくような役割を果たし、聴く者に安らぎを提供します。メイの繊細な感性が表れた楽曲であり、クイーンの柔らかな一面を見ることができる貴重な作品です。

10.「Misfire」(ミスファイア)

作詞作曲: ジョン・ディーコン

ジョン・ディーコンによる初の単独作曲楽曲で、リラックスした雰囲気とポップなメロディが特徴です。

「Misfire」は愛する人への甘く切ない想いを軽快なリズムで表現しており、ディーコンの真っ直ぐな性格を垣間見ることができます。このトラックは、クイーンの音楽の中でも特に明るく楽観的な雰囲気を持ち、アルバムの中でも心を和ませる楽曲となっています。

11.「Bring Back That Leroy Brown」(ブリング・バック・ザット・リロイ・ブラウン)

作詞作曲: フレディ・マーキュリー

フレディ・マーキュリーが手がけた「Bring Back That Leroy Brown」は、クイーンのレパートリーの中でも特にユニークな存在感を放つ楽曲です。

この曲はジャズとバーレスクの影響を受けたアレンジが施されており、アップテンポなリズムとキャッチーなメロディが耳に残ります。マーキュリーのウィットに富んだ歌詞と演奏の軽快さが、聴く者を即座にその場の雰囲気に引き込みます。

バンドが楽器演奏の枠を超えて、ウッドベース、ウクレレバンジョーやジャズバンド風のセクションを取り入れているのも、この楽曲の特徴的な点です。クイーンの多様性と音楽に対する深い愛情を感じさせる「Bring Back That Leroy Brown」は、彼らの創造性の高さを改めて証明しています。

12.「She Makes Me (Stormtrooper in Stilettos)」(シー・メイクス・ミー(ストームトルーパー・イン・スティレット))

作詞作曲: ブライアン・メイ

ブライアン・メイによるこの楽曲は、アルバム中でも特に雰囲気のある一曲です。
淡々としたメロディとメイの感傷的なボーカルが、曲全体に漂うノスタルジックなムードを強調しています。

「She Makes Me」は、恋人への深い愛とそれに伴う葛藤を、ストームトルーパーに例えて歌っており、その比喩はリスナーの想像力を刺激します。ギターワークとサウンドプロダクションの繊細さが、この楽曲をアルバムの中で際立たせています。

13.「In the Lap of the Gods... Revisited」(神々の業 (リヴィジテッド))

作詞作曲: フレディ・マーキュリー

アルバムの締めくくりを飾る「In the Lap of the Gods... Revisited」は、アルバムを通じて展開されてきたテーマの集大成のような存在で、マーキュリーのドラマティックなボーカルとコーラスが、エピックなフィナーレを創り出しています。

観客との一体感を重視したコンサートのラストナンバーとしてもしばしば演奏され、クイーンのライブパフォーマンスのハイライトの一つとなっています。「In the Lap of the Gods... Revisited」は、希望と絶望、受容と拒絶の感情を巧みに織り交ぜながら、リスナーに強烈な印象を与える楽曲です。

6/8拍子ということもあって、みんなでゆったりと大合唱したくなります。

アルバムの特徴がわかる、レーダーチャート

クイーンのアルバム「シアーハートアタック」の特徴を示したレーダーチャート

アルバム・ジャケット

クイーンのサードアルバム『Sheer Heart Attack』のアルバムジャケットとアートワークは、その鮮烈なビジュアルでバンドの洗練されたイメージを確立しました。1974年にリリースされたこのアルバムは、クイーンの商業的なブレイクスルーを象徴する作品であり、アートワークもまた、彼らのアイデンティティと音楽性の進化を反映しています。

アルバムジャケットのデザイン

  • 表ジャケット: 表ジャケットには、バンドメンバーが一列に並んで寝転がっている写真が採用されています。彼らの表情は落ち着いており、ライトの効果で顔がぼんやりと浮かび上がっています。この写真は、一見シンプルながらも強いビジュアルインパクトを持ち、バンドの魅力を引き立てています。
  • 裏ジャケット: 裏ジャケットでは、曲リストと共にバンドメンバーの写真が再び登場します。こちらはよりカジュアルな雰囲気で、彼らの人間的な側面を垣間見ることができるデザインとなっています。

アートワークの特徴

  • 撮影: アルバムジャケットの写真は、前作『Queen II』のジャケットを手掛けたミック・ロックによって撮影されました。ミック・ロックは、その独特のビジュアルセンスでクイーンのイメージを形作る上で重要な役割を果たしました。
  • ビジュアルの意図: このアルバムジャケットは、クイーンの音楽が持つ独創性とダイナミズムを視覚的に表現しています。また、彼らの音楽が広く一般に受け入れられるようになったことを象徴する、よりアクセスしやすいイメージを意識しています。
  • 影響と受容: 『Sheer Heart Attack』のアートワークは、ファンだけでなく、広く音楽業界からも高く評価されました。このジャケットデザインは、クイーンがロックバンドとしてだけでなく、ビジュアルアーティストとしても独自の道を切り開いていることを示しています。

チャート順位

クイーンのサードアルバム『Sheer Heart Attack』は、1974年11月8日にリリースされた後、英国、米国、日本でのチャートで顕著な成績を収めました。

英国 (UK)

『Sheer Heart Attack』は英国でのリリース後、大きな成功を収め、UKアルバムチャートで2位に達しました。この成功は、クイーンが英国内で広く認知されるきっかけとなり、彼らの音楽キャリアにおける重要な転換点となりました。特に、アルバムからのシングル「Killer Queen」はUKシングルチャートで2位になり、バンドにとって初のトップ20ヒットとなりました。

米国 (US)

米国では、『Sheer Heart Attack』はビルボードのTop LPs & Tapesチャートで最高12位に到達し、クイーンにとって初のトップ20アルバムとなりました。この成功は、アメリカ市場でのクイーンの認知度を大きく高め、彼らの国際的な人気を確固たるものにしました。

日本

日本では、オリコンアルバムチャート23位に達し、クイーンの音楽が日本の聴衆にも受け入れられていることを示しました。この成功は、日本での強固なファンベースを築く基盤となりました。

総括

『Sheer Heart Attack』はクイーンのキャリアにおいて、国際的なブレイクスルーを果たした重要なアルバムです。英国での2位、米国での12位、そして日本での23位という成績は、バンドが世界的な注目を集めるようになったことを物語っています。このアルバムは、その後の『A Night at the Opera』へと続く音楽的な成功への足がかりとなりました。

世間の評価(評論家・ファンの評価)

『シアーハートアタック』は、クイーンのキャリアにおいて重要な転換点となるアルバムであり、発売以来、評論家やファンから高い評価を受け続けています。このアルバムは、クイーンがその後の数十年にわたって業界をリードするバンドとなるための基盤を築きました。

評論家からの評価

  • 音楽的進化: 『Sheer Heart Attack』は、クイーンの音楽的進化を示す作品として広く評価されています。前作『Queen II』のプログレッシブなスタイルからさらに発展し、ポップセンシビリティとハードロックの要素を巧みに融合させました。このアルバムにより、クイーンはより幅広い聴衆に受け入れられるようになりました。
  • 「Killer Queen」の成功: シングル「Killer Queen」は特に高い評価を受け、クイーンの代表曲の一つと見なされています。この曲は彼らの洗練されたサウンドとフレディ・マーキュリーの卓越したボーカルパフォーマンスを示すもので、広くラジオで放送されました。
  • 批評家の選定: 多くの音楽評論家や雑誌により、『Sheer Heart Attack』はクイーンの最高傑作の一つとして、また70年代のロックアルバムとしての傑出した作品として選ばれています。そのダイナミックな構成と多様な楽曲は、バンドの創造性の幅を示しています。

ファンからの評価

  • ファンの支持: ファンからは、『Sheer Heart Attack』がクイーンのディスコグラフィーの中で特に愛されているアルバムの一つであると広く認識されています。特に「Killer Queen」や「Brighton Rock」などの楽曲は、ライブパフォーマンスでも際立っており、ファンにとってのハイライトです。
  • ライブパフォーマンスの影響: このアルバムの曲は、クイーンのライブパフォーマンスにおいても中心的な役割を果たしており、ファンは彼らのエネルギッシュでダイナミックなライブショーを高く評価しています。

長期的な影響

  • 音楽史における位置づけ: 『Sheer Heart Attack』は、クイーンが音楽業界において不動の地位を築く上での重要なステップとなりました。このアルバムは、彼らが多様な音楽スタイルを操る能力を持っていることを示し、後の『A Night at the Opera』などのアルバムへとつながる音楽的な基盤を作りました。

総じて、『Sheer Heart Attack』はクイーンのディスコグラフィーの中でも特に重要な位置を占めるアルバムであり、その音楽的な質、革新性、そして時代を超越した魅力によって、今日でも多くの音楽ファンや批評家から高い評価を受けています。

アルバム・タイトル

クイーン3枚目のスタジオアルバムで、バンドの商業的成功を決定づけた重要な作品のアルバムタイトルは、そのエネルギッシュな内容と音楽的攻撃性を反映しています。

洋題:『Sheer Heart Attack』

  • 意味: タイトルの"Sheer Heart Attack"には、文字通り「純粋な心臓発作」という意味がありますが、この場合は比喩的な表現として用いられています。アルバムは、その直接的でパワフルなサウンドとダイナミックな楽曲構成により、聴き手に強烈な印象を与えることを意図しており、このタイトルはそのエネルギーと衝撃を表現しています。
  • 背景: タイトルはまた、バンドメンバーのブライアン・メイがアルバム制作中に健康問題を抱えていたこと、特に重度の胃腸炎で苦しんでいたことにもかかわっています。この経験はアルバムの制作に影響を与え、タイトルに反映された可能性があります。

クイーン 3枚目のアルバム「シアー・ハート・アタック」解説のまとめ

クイーンのサードアルバム「Sheer Heart Attack(シアー・ハート・アタック)」は、バンドが音楽界に確固たる地位を築く上で重要な役割を果たした作品です。

このアルバムから生まれた楽曲は、時を超えて多くの人々に愛され続けており、クイーンの音楽的遺産の中でも特に輝く宝石と言えるでしょう。
バンドの多様性と創造性が融合した3rdアルバムは、音楽ファンであれば一度は深く聴き込み、その魅力を存分に味わうべきアルバムです。

クイーンの歴史の中でこのアルバムが占める位置は非常に大きく、数々の快進撃の中でも特に印象的なマイルストーンとなっています。

クイーンの全アルバムを解説した記事も、合わせてご覧ください。

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