
ブルックリンの小さなアパートで、17歳の少女がピアノに向かい曲を書き始めた瞬間、ポピュラー音楽の新しい章が開かれた――。
1950年代後半から2020年代まで、70年以上にわたって音楽界に君臨し続ける伝説のシンガーソングライター。ゴフィン&キングのコンビで生み出した数々のヒット曲、そして歴史的名盤『つづれおり(Tapestry)』で確立した女性シンガーソングライターの地位。
キャロル・キングが築き上げた音楽遺産は、ロック殿堂入りとグラミー賞4度の受賞という栄誉だけでは語り尽くせない深みを持っている。
ティン・パン・アレイの裏方作曲家から、自らの声で世界を感動させるアーティストへ。離婚や挫折を乗り越え、音楽に希望と癒しを見出していく過程で生まれた名曲の数々は、時代を超えて多くの人々の心に寄り添い続けていますよね!
技術的に歌唱力が高いかと言われると、正直そこまで高くはないのに、なぜキャロル・キングの歌声はここまで人を感動させられるのか?
そんな不思議な魅力を持っている、彼女の膨大な作品たちから厳選した21曲を、一人の女性アーティストの魂の軌跡として紐解いていくいきます♪
時代を超えて愛される不朽の名曲
You've Got a Friend ~友情という永遠のテーマを歌った傑作
1971年、アルバム『つづれおり』に収録された「You've Got a Friend(きみの友だち)」は、真の友情の尊さを歌った不朽の名曲です。シンプルなピアノ伴奏に乗せて紡がれる温かい言葉の数々は、困難な時にそばにいてくれる友の存在を優しく歌い上げています。
ジェームス・テイラーによるカバーバージョンがグラミー賞を受賞し、キャロル自身もこの曲で最優秀楽曲賞を獲得。「人生で辛い時に何度も救われた」という世界中のファンの声が示すように、時代を超えた友情のアンセムとして今も愛され続けています。
It's Too Late ~別れの痛みを昇華させた名バラード
1971年リリースの「It's Too Late」は、関係の終わりを受け入れる複雑な心情を歌った大人のバラードです。ジャズの影響を感じさせる洗練されたアレンジと、キャロルの感情豊かなボーカルが見事に調和し、ビルボードホット100で5週連続1位を記録しました。
元夫ジェリー・ゴフィンとの離婚体験から生まれたとされるこの楽曲は、悲しみの中にある成熟した大人の視点を描き、多くの人々の共感を呼びました。現在でも別れの痛みに寄り添う楽曲として、世代を超えて支持されています。
I Feel the Earth Move ~生命力溢れるピアノロックナンバー
「It's Too Late」のB面として発表された「I Feel the Earth Move」は、キャロルのエネルギッシュな一面を示す力強いピアノロックナンバーです。1971年の作品でありながら、激しいピアノリフと躍動感あふれるリズムは、現代のロックミュージックにも全く遜色ない迫力を持っています。
恋に落ちた瞬間の高揚感を大地が揺れる感覚に例えた歌詞は、キャロルの詩的センスの高さを証明しており、「聴くたびに元気をもらえる」というファンの声が多数寄せられています。
中間のピアノ・ソロと掛け合いをする、いなたいギター・ソロも良い味出してます!
(You Make Me Feel Like) A Natural Woman ~女性の尊厳を歌った歴史的名曲
1967年、アレサ・フランクリンのために書き下ろした「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」は、女性の内面的な強さと美しさを歌った歴史的名曲です。ゴフィン&キングとジェリー・ウェクスラーの共作によるこの楽曲は、ソウルミュージックの金字塔として音楽史に刻まれました。
キャロル自身も『つづれおり』で歌唱し、異なる解釈で新たな魅力を引き出しています。女性の自己肯定を歌ったこの楽曲は、フェミニズムの視点からも重要な意味を持つ作品として評価されています。
So Far Away ~切ない距離感を描いた珠玉のバラード
1971年の『つづれおり』に収録された「So Far Away」は、愛する人との物理的・心理的な距離をテーマにした美しいバラードです。キャロルの絞り出すようなボーカルが織りなす世界は、聴く者の心に深い余韻を残します。
ツアー生活で離れ離れになる恋人への想いを歌ったこの楽曲は、現代のリモート社会においても新たな共感を呼び、「遠距離恋愛の応援歌」として多くのカップルに愛されています。
ソウルフルな魅力が光る楽曲たち
Will You Love Me Tomorrow ~10代で書いた永遠のスタンダード
1960年、わずか18歳で書き上げた「Will You Love Me Tomorrow」は、シュレルズの歌唱でビルボード1位を獲得し、キャロルの作曲家としてのキャリアを決定づけた記念すべき楽曲です。若い女性の不安と希望を繊細に描いたこの曲は、当時としては画期的なテーマ性を持っていました。
キャロル自身による『つづれおり』でのセルフカバーは、より成熟した視点から新たな解釈を加え、楽曲の普遍性を証明しています。60年以上経った今も、愛の不確実性を歌った名曲として世界中で歌い継がれています。
The Loco-Motion ~世代を超えて愛されるダンスナンバー
1962年、ベビーシッターだったリトル・エヴァのために書いた「The Loco-Motion」は、キャロルの遊び心と創造性が光るダンスナンバーです。シンプルながら中毒性の高いメロディと、楽しいダンスステップの歌詞が世界中で大ヒットしました。
その後カイリー・ミノーグなど多くのアーティストにカバーされ、時代ごとに新しい解釈で蘇り続けているこの楽曲は、キャロルのポップセンスの高さを示す代表作となっています。
One Fine Day ~希望に満ちた明るいポップチューン
1963年、ザ・シフォンズのために書いた「One Fine Day」は、未来への希望を歌った爽やかなポップナンバーです。軽快なリズムと前向きな歌詞が多くの人々を励まし、60年代ガールグループサウンドの代表曲として愛され続けています。
キャロルの楽天的な一面が表れたこの楽曲は、「聴くと自然と笑顔になれる」というファンの声が示すように、永遠のサンシャインソングとして輝き続けています。
Up on the Roof ~都会の喧騒から逃れる安らぎの場所
1962年、ドリフターズのために書いた「Up on the Roof」は、都会生活のストレスから逃れる屋上という場所を歌った詩的な名曲です。ゴフィン&キングの歌詞とメロディの完璧な融合は、アーバンライフの中の小さな安らぎを美しく描き出しています。
ジェームス・テイラーによるカバーも広く知られており、現代の都市生活者にとっても共感できるテーマとして、時代を超えた普遍性を持つ楽曲となっています。
Chains ~ビートルズもカバーした隠れた名曲
1962年、クッキーズのために書いた「Chains」は、後にビートルズがデビューアルバムでカバーしたことで知られる楽曲です。恋の束縛をテーマにした歌詞と、キャッチーなメロディは、60年代のR&Bポップスの魅力を凝縮しています。
ビートルズのカバーによって新たな命を吹き込まれたこの楽曲は、キャロルの作曲家としての才能が早くから認められていたことを証明する重要な作品です。
心の深淵に触れる珠玉のバラード
Beautiful ~ありのままの美しさを讃える讃歌
1971年、『つづれおり』のオープニングを飾る「Beautiful」は、自己受容と内面的な美しさをテーマにした感動的なバラードです。静かなピアノの旋律に乗せて語られる言葉は、外見ではなく心の美しさこそが真の価値であることを優しく伝えています。
現代の自己肯定感が重視される時代において、この楽曲のメッセージは一層重要性を増しており、「自分を受け入れる勇気をもらった」という声が多数寄せられています。
Home Again ~故郷への想いを歌った温かい名曲
1971年の『つづれおり』に収録された「Home Again」は、旅から帰る安堵感と故郷への愛着を歌った心温まるバラードです。シンプルなアレンジながら、キャロルの温かいボーカルが聴く者の心を包み込みます。
物理的な故郷だけでなく、心の拠り所としての「ホーム」を歌ったこの楽曲は、人生の様々な段階で共感を呼ぶ普遍的なテーマを持っています。
Way Over Yonder ~スピリチュアルな深みを持つ名曲
こちらも1971年の『つづれおり』に収録された「Way Over Yonder」は、ゴスペルの影響を感じさせるスピリチュアルなバラードです。遠く離れた場所への憧れと、精神的な旅路をテーマにした歌詞は、キャロルの内面的な探求心を表現しています。
ジェームス・テイラーとのデュエットバージョンも高い評価を受けており、両者の音楽的ケミストリーが光る名演として知られています。
Smackwater Jack ~物語性豊かなナラティブソング
「Smackwater Jack」は、アウトローの物語を描いたユニークな楽曲です。ストーリーテリングの手法を用いた歌詞と、ドラマティックな展開は、キャロルの多様な表現力を示しています。
クインシー・ジョーンズによるカバーも知られており、ジャズやファンクの要素を加えた解釈で新たな魅力を引き出しています。
Tapestry ~アルバムタイトル曲に込められた想い
1971年、名盤のタイトル曲でもある「Tapestry」は、人生を一枚の織物に例えた詩的なバラードです。様々な経験が織りなす人生の豊かさを歌ったこの楽曲は、キャロルの人生哲学を表現した重要な作品となっています。
静かで内省的なこの曲は、アルバム全体のテーマを象徴する楽曲として、多くの音楽評論家から高い評価を受けています。
時代を映す社会派メッセージソング
Been to Canaan ~精神的な到達点を歌った希望の歌
1972年、アルバム『ミュージック』に収録された「Been to Canaan」は、精神的な成長と自己発見をテーマにした力強い楽曲です。ゴスペルの影響を受けた歌い方と、希望に満ちた歌詞が印象的な作品となっています。
人生の困難を乗り越えた先にある境地を歌ったこの楽曲は、「前を向く勇気をもらえる」というファンの声が多く、現代でも励ましの歌として愛されています。
Believe in Humanity ~人間性への信頼を歌った名曲
1973年のアルバム『ファンタジー』に収録された「Believe in Humanity」は、人間の善性と希望を歌った社会派メッセージソングです。混沌とした時代にあっても人間性を信じ続けることの大切さを説いたこの楽曲は、キャロルの平和主義と人道主義を表現しています。
現代社会においても変わらぬ意義を持つこのメッセージは、多くのリスナーに希望と勇気を与え続けています。
Corazón ~ラテンの情熱を取り入れた挑戦作
1973年の『ファンタジー』に収録された「Corazón」は、ラテン音楽の要素を取り入れた実験的な楽曲です。スペイン語のタイトルが示すように、異文化への敬意と音楽的冒険心が表れた作品となっています。
キャロルの多様な音楽性と挑戦する姿勢を示すこの楽曲は、アーティストとしての幅広さを証明する重要な作品です。
Jazzman ~ジャズへのオマージュを込めた名曲
1974年、アルバム『ラップ・アラウンド・ジョイ』からのシングルとして発表された「Jazzman」は、ジャズミュージシャンへの憧れを歌った洗練されたナンバーです。トム・スコットのサックスソロをフィーチャーしたこの楽曲は、全米チャートで2位を記録しました。
ジャズとポップスの見事な融合は、キャロルの音楽的ルーツと幅広い嗜好を示す代表作として高く評価されています。
Nightingale ~夜の静寂に響く美しいバラード
1975年のアルバム『トゥルーリー・ケイト』に収録された「Nightingale」は、ナイチンゲールに自己を重ねた詩的なバラードです。シンプルなアレンジながら、キャロルの成熟した表現力が光る作品となっています。
自然との調和と内面的な平和をテーマにしたこの楽曲は、キャロルの環境保護活動への関心を反映した意義深い作品です。
変わらぬ美声!後期の名作
Now and Forever ~永遠の愛を歌った現代的バラード
1993年のアルバム『カラー・オブ・ユア・ドリームス』に収録された「Now and Forever」は、90年代のキャロルの音楽的成熟を示す、カラフルなバラードです。長年のキャリアで培った表現力が結実した、深みのある作品となっています。
「歳を重ねるごとに味わいが増す楽曲」というファンの声が示すように、キャロルの円熟した魅力が光る名曲です。
キャロル・キングの名曲:まとめ
1958年、ブルックリンの高校生が書いた最初の楽曲から始まった音楽の旅は、今や音楽史に燦然と輝く偉大な遺産となりました。
ティン・パン・アレイの作曲家として数々のヒット曲を生み出し、『つづれおり』で自らの声で世界を感動させ、その後も環境保護活動と音楽創作を両立させながら進化を続けてきたキャロル・キング。「You've Got a Friend」の温かさから「It's Too Late」の切なさ、「I Feel the Earth Move」の躍動感。
キャロル・キングの真の魅力は、その卓越した作曲能力だけでなく、人生経験を真摯に音楽に昇華させる誠実さにあります。10代の恋の不安から、離婚の痛み、母としての喜び、社会への責任感まで、人生のあらゆる局面を歌にしながら、常に聴く者の心に希望の灯をともし続けてきました。
本記事で紹介した21曲が、あなたのキャロル・キング体験をより豊かなものにし、シンガーソングライターという表現形式の持つ無限の可能性を感じるきっかけとなることを心から願っています。彼女の音楽とともに、あなたの人生にも新しい気づきと癒しが訪れることでしょう。

