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ロック

クイーン「The Game (ザ・ゲーム)」:8枚目のアルバムを解説。収録曲とレビュー

「THE GAME QUEEN アルバム解説」と記載したアイキャッチ

クイーンが1980年にリリースした8枚目のオリジナルアルバム「The Game(ザ・ゲーム)」は、バンドのキャリアの中でも特に画期的な作品の一つとして数えられます。

このアルバムは、クイーンが新しい音楽的実験を積極的に取り入れた結果、商業的にも大成功を収めました。
ここでは、その魅力と内容について深掘りしていきます。

QUEEN 8枚目のアルバム「The Game (ザ・ゲーム)」概要

販売年月日: 1980年6月30日
収録曲数: 全11曲
売上枚数: 世界で約700万枚以上
アルバムの特色: クイーンが初めてシンセサイザーを使用し、ディスコやファンクといった新しい音楽ジャンルに挑戦したアルバム。特に「Another One Bites the Dust」は大ヒットし、バンドの音楽性の幅を広げました。
参加メンバー: フレディ・マーキュリー(ボーカル、ピアノ)、ブライアン・メイ(ギター、ボーカル)、ジョン・ディーコン(ベース)、ロジャー・テイラー(ドラム、ボーカル)
プロデューサー: クイーン、ラインホルト・マック
エンジニア: Brian Knapp Gardner(マスタリング)、Reinhold Mack
収録スタジオ: ミュージックランド・スタジオ(ミュンヘン、ドイツ)
レーベル: EMI Records、Elektra Records

特別なエディションについては、2011年にリマスター版がリリースされ、未発表トラックやボーナスコンテンツが追加されました。

収録曲:解説とレビュー

1. Play the Game (プレイ・ザ・ゲーム)

作詞作曲:Freddie Mercury

アルバムのオープニングトラック「Play the Game」は、Freddie Mercuryの手によるものです。

この曲は、愛と心の開放についての熱いメッセージを、流麗なピアノアレンジと壮大なコーラスワークで綴っています。
シンセサイザーを初めて取り入れたQueenの楽曲としても記録されており、その新しい音色が曲の雰囲気を一層引き立てています。

ファンとしては、この曲がQueenの新しい音楽的領域へ足を踏み入れる瞬間と捉えることができるでしょう。

2. Dragon Attack (ドラゴン・アタック)

作詞作曲:Brian May

Brian Mayが書いた「Dragon Attack」は、Queenのファンキーな一面を見せる曲です。

ギターソロやベースラインが特徴的で、抑揚で魅せるリズムセクションが際立っています。
重量感をたっぷり味わわせてくれるJohn Deaconのベースプレイが光る。

ほぼワンコード(プラス2コード)のシンプルな進行に対して、リズムとグルーヴの面で濃淡と変化をつけていくトラックとして、聴き手を魅了します。

3. Another One Bites the Dust (地獄へ道づれ)

作詞作曲:John Deacon

「Another One Bites the Dust」は、Queenの歴史の中でも特に成功したシングルの一つです。

この曲はR&B系ファンクとロックを融合させたもので、一度聴いたら忘れないそのキャッチーなベースラインは今でも広く認知されています。

徐々にサウンドの層を重ねることで生み出されるダイナミズムと、メロディの中に潜む精緻なディテールが聴き手を虜にします。
シンセの使い方も、大胆で気持ちいい!!

4. Need Your Loving Tonight (夜の天使)

作詞作曲:John Deacon

「Need Your Loving Tonight」は、John Deaconが書いた明るくキャッチーなポップロックの曲です。

このトラックは、愛と関係についての楽観的な視点を綴っており、その軽快なリズムとメロディーはクイーンとしては珍しく「アメリカン」な印象にまとめた一曲。

クイーンがポップの要素を自身のロックのルーツと融合させた好例として、アルバムの多様性を一層際立たせています。

5. Crazy Little Thing Called Love (愛という名の欲望)

作詞作曲:Freddie Mercury

Freddie Mercuryによる「Crazy Little Thing Called Love」は、ロカビリースタイルへのオマージとして生み出された楽曲です。

この曲は、50年代のスウィンギーなロックンロールに敬意を表しつつ、Mercury独特のセンスが加わることで、完全に新しい次元へと押し上げられています。
シンプルな構成とキャッチーなフックが組み合わさり、世代を超えて愛されるヒット曲となりました。

この曲の躍動感と即興性は、Mercuryがギターを弾きながら書いたという逸話からもうかがえます。
その明るく楽観的な雰囲気は、リスナーにポジティブなエネルギーを注入してくれる。

6. Rock It (Prime Jive) (ロック・イット)

作詞作曲:Roger Taylor

フレディーとロジャーがフロントを務める「Rock It (Prime Jive)」は、エネルギッシュなロックトラックです。

この曲は、バンドのルーツであるロックへの回帰を感じさせつつ、同時に新しい音楽的探求も感じさせます。
Taylorの力強いボーカルとドラミングが曲が持つエネルギーを一層高めています。

曲の前半は穏やかなイントロから始まりますが、すぐにテイラーの独特のリズム感とエネルギーに満ちた演奏へと移行し、一晩中続くロックンロールのパーティーへとリスナーを誘うかのようです。

7. Don't Try Suicide (自殺志願)

作詞作曲:Freddie Mercury

Freddie Mercuryによる「Don't Try Suicide」は、題材としてはシリアスながら、音楽的には軽快なトラックです。

議論を呼ぶテーマを取り扱いながらも、聴き手に対して肯定的なメッセージを投げかけています。
Mercuryの特徴的な連打ピアノプレイとキャッチーなメロディが、この複雑なテーマを取り巻く雰囲気を和らげます。

8. Sail Away Sweet Sister (スウィート・シスター)

作詞作曲:Brian May

Brianの優しさが際立つバラード「Sail Away Sweet Sister」は、アルバムの中でも特に感傷的な曲です。
May自身のソフトなボーカルが曲の深い感情を引き出し、そこには保護と愛情のメッセージを込めています。

慈愛に溢れた、まるで遠く離れた愛する人への手紙のように切なくも温かな情感を伝えています。
ギター・ソロの説得力も際立つナンバー。

9. Coming Soon (カミング・スーン)

作詞作曲:Roger Taylor

「Coming Soon」は、Roger Taylorが書いた、未来に向けた希望を歌った楽曲でバンドの未来への期待と探求心を象徴する楽曲です。

テイラーのキャッチーなメロディとダイナミックなリズムが、新たな冒険への扉を開くかのような期待感を盛り上げます。
クイーンが常に音楽的な新境地を目指していることを示す象徴的なトラックであり、常に前向きな姿勢で未来に進む勇気を与えてくれます。

10. Save Me (セイヴ・ミー)

作詞作曲:Brian May

アルバムを締めくくる「Save Me」は、Brian Mayが書いた壮大なバラードです。
失われた愛と救済を求める心の叫びを描いています。

Mayの情緒的なギタープレイと、Mercuryの感動的なボーカルパフォーマンスによって、特別な重みと深さを持って聴き手に届けられます。ピアノの旋律と大きめのオーケストレーションアレンジが組み合わさり、曲の悲しみと美しさを際立たせています。

失恋と再生のテーマを通じて、深い共感を呼び起こします。

アルバムの特徴がわかる、レーダーチャート

QUEEN 8枚目のアルバム「The Game (ザ・ゲーム)」の特徴を示したレーダーチャート

アルバム・ジャケット

アルバムジャケットのデザイン

  • カバーアート: 『The Game』のアルバムカバーは、The Cream Groupによってデザインが担当されており、バンドメンバーのモノクロ写真を特徴としています。フレディ・マーキュリー、ブライアン・メイ、ジョン・ディーコン、ロジャー・テイラーの4人が、カメラに向かって真っ直ぐに見つめる姿が印象的です。このシンプルながら力強いポートレートは、アルバムの直接的でダイナミックな音楽性を反映しています。
  • ビジュアルスタイル: アルバムジャケットのモノクロームの色調は、洗練された雰囲気を醸し出しており、クイーンがこの時期に見せた音楽的な成熟と変化を象徴しています。また、メンバー各自のスタイリッシュな外見は、1980年代の新たな時代の始まりを予感させます。

アートワークの背景

  • 時代背景: 『The Game』のリリースは、クイーンが音楽的にもビジュアルにも新たな方向性を模索していた時期にあたります。このアルバムは、ディスコやファンクといった新しい音楽スタイルの影響を受けており、その変化はアートワークにも反映されています。
  • アルバムのテーマ: このアルバムのタイトル『The Game』は、人生や愛といったテーマをゲームに例えたものであり、アルバムジャケットはこのテーマを視覚的に表現しているとも解釈できます。バンドメンバーの真剣な表情は、「ゲーム」への挑戦と覚悟を感じさせます。

総合的な視点

『The Game』のアルバムアートワークは、クイーンが1980年代に入り音楽的にもビジュアルにも新たな領域に踏み出したことを示す重要な作品です。このシンプルで洗練されたデザインは、バンドの進化を象徴し、ファンに新しいクイーンのイメージを印象づけました。

チャート順位

クイーンの8枚目のアルバム『The Game』は、英国、アメリカ、日本のチャートで著しい成績を収めました。

英国 (UK)

英国ではアルバムチャートで1位に達し、クイーンの地元での人気を再確認しました。これは、彼らの音楽が引き続き英国の聴衆から強い支持を受けていることを示しています。

アメリカ (US)

アメリカではBillboard 200で1位になりました。『The Game』はアメリカでクイーンにとって初めての1位アルバムとなり、彼らのキャリアにおける重要なマイルストーンを示すものでした。また、アルバムからのシングル「Another One Bites the Dust」と「Crazy Little Thing Called Love」が共にUSチャートで1位になるなど、商業的に大成功を収めました。

日本

日本ではオリコンアルバムチャートで5位にランクインしました。クイーンのアルバムが日本で引き続き強い人気を保っていることを示しています。

『The Game』の成功は、クイーンが1980年代初頭においても変わらず音楽業界のトップに君臨していたことを証明しています。特にアメリカでの1位獲得は、バンドにとって大きな成就であり、彼らの音楽が世界中で愛され続けていることを示しています。

世間の評価(評論家・ファンの評価)

批評家からの評価

  • 音楽性の変化: 『The Game』は、クイーンがディスコ、ファンク、ロックなど、より幅広い音楽スタイルを取り入れたことで注目されました。特に「Another One Bites the Dust」はファンクの影響を強く受けた楽曲で、商業的にも大成功を収めました。批評家たちは、クイーンが伝統的なロックの枠を越えて新たな音楽的地平を開拓したことを評価しました。
  • シングルのヒット: アルバムからのシングル「Crazy Little Thing Called Love」と「Another One Bites the Dust」は、批評家からの高い評価とともに、チャートでの成功を収めました。これらの曲は、クイーンが多様な音楽ジャンルを扱えるバンドであることを証明しました。

ファンからの評価

  • ファンの反応: 『The Game』は、ファンからも熱烈な支持を受けました。アルバムの多様性と、聴き手に新鮮な音楽体験を提供するクイーンの能力が評価されました。特に「Crazy Little Thing Called Love」と「Another One Bites the Dust」は、コンサートでも人気の高い楽曲となり、ファンの間で長く愛されています。
  • 長期的な人気: 発売から数十年が経過した現在でも、『The Game』はクイーンのディスコグラフィーの中で重要な地位を占めています。アルバムはクイーンの音楽的な範囲と実験的な精神を示す作品として、新たなファンにも引き続き発見されています。

「Another One Bites the Dust」がグラミー賞にノミネート

収録曲「Another One Bites the Dust」は、1981年のグラミー賞で「最優秀ロック・パフォーマンス・グループ」カテゴリーにノミネートされました。

グラミー賞ノミネートは、この曲が世界中で音楽業界から高い評価を受けたことを証明しています。
受賞には至りませんでしたが、そのノミネート自体がクイーンの音楽的成功と影響力を象徴しています。

総合的な視点

『The Game』は、クイーンが1980年代に入っても革新的な音楽を追求し続けていることを示すアルバムです。批評家とファンの両方からの肯定的な評価は、このアルバムがクイーンのキャリアにおいて重要な役割を果たしていることを示しています。新しい音楽スタイルへの挑戦と、伝統的なロックとのバランスを見事に取りながら、広く愛される楽曲を生み出したクイーンの才能が、『The Game』を通じて改めて称賛されています。

サントラなどへの採用

『The Game』に収録されている楽曲の中で、特に映画やテレビなどで主題歌や挿入歌として採用されたものには以下のような曲があります。

  1. 「Another One Bites the Dust」: この曲は数多くの映画やテレビ番組で使用されており、特にスポーツイベントや映画のサウンドトラックで人気です。例えば、『スーパーマン リターンズ』(2006年)、『アイアンマン2』(2010年)などの映画で使用されました。
  2. 「Crazy Little Thing Called Love」: この曲もまた、多くの映画やテレビ番組で使用されています。例えば、ロマンティックコメディ『ザ・ブレイクアップ』(2006年)で使用されたほか、テレビシリーズ『ザ・シンプソンズ』でのエピソードなどで聞くことができます。

アルバム・タイトル

このアルバムタイトルは、人生や恋愛をゲームに例えていると考えられ、クイーンがこのアルバムで探求しているテーマや音楽的な実験を象徴しています。

洋題:『The Game』

  • 意味: "The Game"(ゲーム)というタイトルは、挑戦や競争、あるいは戦いを連想させます。これは、アルバムに収録されている楽曲が恋愛や人生の複雑さ、喜びや苦悩を扱っていることを反映していると言えます。また、クイーンが音楽的な境界を超えて新しいスタイルに挑戦している様子も、"ゲーム"に挑むかのような精神を表していると解釈できます。
  • 音楽的挑戦: このアルバムでクイーンは、初めてシンセサイザーを使用するなど、音楽的な新たな試みに挑んでいます。その意味でも、"The Game"というタイトルは、音楽的な冒険や探求を表していると言えるでしょう。

クイーン 8枚目のアルバム「The Game (ザ・ゲーム)」解説のまとめ

クイーンの「The Game(ザ・ゲーム)」は、バンドが新しい音楽的地平を開拓

した転換点となるアルバムです。シンセサイザーの導入、ディスコやファンクの要素の取り入れなど、これまでのクイーンの音楽とは異なる新しい試みが随所に散りばめられています。それでいて、彼ら独特のロックの魂はしっかりと保持されており、バンドの多面性と音楽に対する深い愛が感じられる作品となっています。

「Another One Bites the Dust」や「Crazy Little Thing Called Love」といった大ヒット曲を生み出し、全世界で愛され続けるこのアルバムは、クイーンが1980年代に入る際の強固な足掛かりを築きました。これらの曲は今もなお、ラジオやテレビ、映画で頻繁に使用され、新たな世代のファンにも受け入れられています。

このアルバムは、音楽を愛するすべての人々にとって、時代を超えて楽しめる貴重な宝物です。クイーンが音楽の「ゲーム」においてどのようにして勝ち続けてきたかを示す見事な証明と言えるでしょう。

クイーンの全アルバムを解説した記事も、合わせてご覧ください。

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