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ローリング・ストーンズの名曲ベスト21!人気の代表曲をタイプ別に厳選

「名曲ベスト21 The Rolling Stones 人気・代表曲」と記載したアイキャッチ

ライブハウスから世界最大級のスタジアムまで - ロックバンドの演奏が鳴り響く場所は様々です。しかし、その全てにおいて必ず誰かが口ずさんでいる伝説的なリフがあります。"(I Can't Get No) Satisfaction"。1965年にリリースされたこの楽曲は、今や人類の文化遺産と言っても過言ではないでしょう。

60年以上もの間、ミック・ジャガーとキース・リチャーズを中心に進化を続けてきたローリング・ストーンズ。彼らの音楽は、ブルースやロックンロールの伝統を守りながらも、パンクやディスコの時代も乗り越え、独自のサウンドを確立してきました。

「悪魔の快感」とも称された彼らの音楽は、現在のヒップホップアーティストにまでサンプリングされ続けています。今回は、時代を超えて愛され続けるローリング・ストーンズの名曲を、その特徴ごとに厳選してご紹介します。パンチあるギターリフ、魂を揺さぶるバラード、アコースティックの粋な味わいまで、多彩な音楽性に迫ります。

ローリング・ストーンズの代表曲

究極のフラストレーションを象徴するストーンズサウンドから、世界中の音楽シーンを変えた代表曲をご紹介します。

(I Can't Get No) Satisfaction

1965年にシングルカットされた本作は、ストーンズ初の全米1位曲となりました。

キース・リチャーズが夢の中でひらめいたというギターリフは、当時としては革新的なファズボックス(歪みを生み出すエフェクター)の使用により生み出されました。録音後すぐに「これはガレージバンドの曲にしか聞こえない」と否定的だったミック・ジャガーでしたが、世界中のティーンエイジャーの欲求不満を代弁する社会現象となります。現在でも演奏回数1位を誇るローリング・ストーンズの代表曲です。バッキングアプローチの完成度が極めて高く、今でも世界中のギターキッズを虜にしています。

Start Me Up

1981年のアルバム『Tattoo You』からのリードシングル。実は7年前の『Goats Head Soup』制作時から温めていた楽曲で、当初はレゲエ調のアレンジだったと言われています。

特徴的なリフとミックの挑発的な歌唱は、MTVブームと相まって80年代を代表するロック曲となりました。マイクロソフトがWindows 95の発売イベントで使用したことでも話題に。「シンプルなロックンロールの究極形」と評される一曲です。

Paint It, Black

1966年『Aftermath』からのシングル。

ブライアン・ジョーンズのシタールが印象的な編曲により、東洋的なサイケデリアとブルースロックが融合した革新的なサウンドを生み出しました。全米・全英チャートで1位を獲得し、ベトナム戦争を描いた映画やドラマでも頻繁に使用される楽曲に。暗く重いテーマながら、強く惹きつけられる独特の魔力を持っています。

Jumpin' Jack Flash

1968年のシングル曲。前作『Their Satanic Majesties Request』でのサイケデリック路線から、原点回帰としてのブルースロックを強く打ち出した転換点となる楽曲です。タイトルは、キースの庭師だったジャック・ドゥヤーから着想を得たとされています。

オープンチューニング(フレットを押さえない状態でコードが鳴るチューニング)によるパワフルなギターサウンドは、後のハードロックに大きな影響を与えました。「ストーンズの真髄」といえる名曲!

Brown Sugar

1971年の『Sticky Fingers』の冒頭を飾る爆発的なロックナンバー。全米1位を記録し、奴隷制時代の暗部を扱う大胆な歌詞にも関わらず、会場の空気を一変させる祝祭的な演奏で知られています。

リフ、コーラス、サックスが絡み合う完璧なアレンジは、プロデューサーのジミー・ミラーの手腕が光ります。2021年のツアーではセンシティブな歌詞の問題から演奏を見送りましたが、音楽的完成度の高さは今なお各方面から絶賛されています。

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Honky Tonk Women

1969年のシングル曲として発表され、即座に全英・全米1位を獲得。カウボーイ映画のような出だしのカウベルから、キース・リチャーズの研ぎ澄まされたオープンGチューニングのリフが炸裂!

ブラジル滞在中にボサノヴァ調で構想されたという本作は、録音を重ねるうちにしびれるようなロックンロールへと進化。マック・テイラーの加入後初のレコーディングとなり、新時代の幕開けを告げる1曲となりました。ライブではファンの手拍子が自然と沸き起こる、グルーヴィーな人気曲です。

Street Fighting Man

1968年の『Beggars Banquet』に収録された政治的メッセージソング。パリの五月革命やベトナム反戦運動の高まりを背景に生まれた本作は、アコースティックギターを歪ませて録音するという画期的な手法で作られました。

特筆すべきは、ブライアン・ジョーンズのシタールとタンバリン、チャーリー・ワッツのインドの打楽器「シェナイ」が織りなす東洋的なサウンド。禁止令が出されたラジオ局もある中、今なお「最も危険なストーンズの曲」の座をキープしている一曲。

Gimme Shelter

1969年『Let It Bleed』のオープニングを飾る傑作。ベトナム戦争の暴力と破壊への警鐘を鳴らす歌詞に、キースの不穏なギターイントロが絡む緊迫感は圧巻です。

メリー・クレイトンをフィーチャーしたコーラスパートは、彼女が流産するほどの熱唱だったというエピソードも。マーティン・スコセッシ監督の映画でも頻繁に使用され、「終末感漂う最高のロック曲」としてストーンズの中でも別格扱いされるナンバー!

Miss You

1978年『Some Girls』からのリードシングル。ディスコ全盛期に、ストーンズ流にアレンジしたダンスロック的アプローチが特徴です。ビル・ワイマンのベースラインとミック・ジャガーのファルセットボーカルが印象的で、全米1位を記録。

「ディスコに媚びた」という批判もありましたが、ローリング・ストーンズの新たな可能性を示した意欲作として再評価が進んでいます。現代のファンからも「最もサンプリングしたい極上のグルーヴ」と称賛されるほどに。

Beast of Burden

1978年の『Some Girls』収録曲。キース・リチャーズとロン・ウッドによるネットリ絡み合うツインギターが生み出す官能的なリフがセクシー!

キースの当時のガールフレンド、アニタ・パレンバーグとの関係修復を願って書かれたとされる歌詞には、珍しく素直な愛の告白が込められています。後にベット・ミドラーがカバーしてヒットさせるなど、ストーンズがミュージシャンズ・ミュージシャンとしても再認識された一曲です。

バラードの名曲

悪魔のごとき暴れっぷりで知られるストーンズですが、繊細な感性で紡ぎ出すバラードもまた、彼らの真骨頂。心に染み入る4曲をご紹介します。

Angie

1973年『Goats Head Soup』からのリードシングル。キース・リチャーズが入院中に生まれた娘アンジェラにちなんで書いたという説や、デヴィッド・ボウイの妻アンジェラへの思いを込めたという説など、様々な逸話を持つ楽曲です。

アコースティックギターとピアノ、オーケストラが織りなす優美なアレンジは、全米1位、全英5位という商業的成功も収めました。特にニルス・ロフグレンのピアノの印象的な転調は、多くのミュージシャンが参考にする「バラードの教科書」とも称されています。

Wild Horses

1971年の『Sticky Fingers』収録曲。グラム・パーソンズとの親交から生まれたカントリー色の強いバラードで、ミック・ジャガーが当時の恋人マリアンヌ・フェイスフルとの関係を投影したと言われています。

キース・リチャーズは「息子マーロンと離れて暮らさなければならない自身の心情も重ねた」と語っています。12弦ギターの響きとミックの抑制の効いた歌唱は、ストーンズの最も美しい瞬間としてマニアの思い入れも強い傑作です。

Ruby Tuesday

1967年のアルバム『Between the Buttons』収録。ブライアン・ジョーンズのトリッキーなリコーダーが印象的な叙情的なメロディラインは、全米1位を記録。

当時キース・リチャーズの恋人だったリンダ・キースとの別れを歌ったとされていますが、60年代のフリースピリットな女性像を体現した歌詞は、現代だからこそじっくり聴き直したい。メロトロンやピアノを効果的に使用した繊細なアレンジも、彼らならではのクセが出ていて中毒性がありますね♪

As Tears Go By

1965年発表。実はマリアンヌ・フェイスフルのために書かれ、彼女のバージョンが先にヒットした楽曲です。

アンドリュー・ルーグ・オールダムとの共作で、ストーンズとしては初めての完全なオリジナルバラッド。生オーケストラをバックに、ミック・ジャガーが見せる繊細な歌唱は、後のバラード路線の原点とも言えます。「孤独な観察者の視点」という歌詞の切り口は、後の彼らの楽曲にも大きな影響を与えました。

アコースティックな響きが美しい曲

アコースティック楽器だからこそ表現できる味わい深さ。元々はブルースバンドだったストーンズらしい、カントリーミュージックやルーツミュージックへの敬愛を感じさせる3曲をご紹介します。

You Got the Silver

1969年の『Let It Bleed』に収録された、キース・リチャーズがリードボーカルを務める珠玉の楽曲。当時の恋人アニタ・パレンバーグへの愛を綴った歌詞と、スライドギターの切ない響きが胸を打ちます。

実はミック・ジャガーのバージョンも録音されていましたが、キースの唄う版の方が「より素直な感情が伝わってくる」という理由で、最終的にこちらが採用されました。アコースティックギターとピアノの絡み合いが生む温かな空気感は、「アコースティックロックの理想形」として語り継がれています。

Sweet Virginia

1972年『Exile on Main St.』収録。フランスのニースで録音された本作は、サックス奏者のボビー・キーズの参加により、カントリーとゴスペルが絶妙に融合した独特の味わいを持ちます。

「Take my advice, you know what to do(私の忠告を聞いて、あなたは何をすべきか分かっているでしょう)」というコーラスは、ライブでは必ず観客が一緒に歌う定番となっています。アコースティックギターとハーモニカの素朴な組み合わせながら、グラム・パーソンズの影響を感じさせるアメリカ南部の空気感を見事に表現した傑作です。録音時のラフな雰囲気もそのまま残されており、個人的には最も居心地の良いストーンズ曲!

Dead Flowers

1971年の『Sticky Fingers』からの楽曲。キース・リチャーズとグラム・パーソンズとの交友から生まれた、カントリー&ウエスタン色の強い楽曲です。

皮肉めいた歌詞とは裏腹に、温かみのあるアコースティックギターのアルペジオと、スティール・ギターの響きが印象的。ミック・ジャガーは意図的に南部訛りを強調して歌っており、これが「イギリス人によるアメリカ音楽への最高のオマージュ」として、カントリーファンからも高い評価を受けています。タウンズ・ヴァン・ザントやキース・アーバンなど、現在のカントリーミュージックの重鎮たちにもカバーされ続けている名曲です。

隠れた名曲

シングルカットこそされなかったものの、コアなファンの間で「実は傑作」と囁かれる珠玉の4曲をご紹介!

Rocks Off

1972年の『Exile on Main St.』オープニングを飾る野心作。フランスの地下室でレコーディングされた本作は、不鮮明なミックスが逆に独特の魅力を生み出しています。

朦朧とした意識の中で展開される歌詞は、当時のキース・リチャーズの生活を反映していると言われ、ホーンセクションとギターが織りなすカオティックなサウンドと相まって、退廃的な美しさを放ちます。「Connection」から「All Down the Line」へと続くブラスアレンジの流れは、多くのミュージシャンが「究極のロックンロール」と称賛する瞬間です。近年では、アークティック・モンキーズなど後続バンドからの影響を指摘する声も。

Can't You Hear Me Knocking

1971年『Sticky Fingers』収録の7分を超える大作。最初のロックパートから、ボビー・キーズのサックスが導く後半のジャム・セッションまで、まさに一曲で二度おいしい構成です。

実はジャムパートは偶然の産物で、演奏が終わったと思っていたバンドメンバーが、録音テープが回っていることに気付かずそのまま演奏を続けた結果の賜物。サンタナを思わせるラテン風のグルーヴは、ミック・テイラーのギターソロの真骨頂とも言われています。ファンの間では「最も過小評価された傑作」として知られ、特にギタリストの間で「究極のギターインプロヴィゼーション」としても支持を集めています。

Midnight Rambler

1969年『Let It Bleed』収録のブルース史劇。ボストン絞殺者の視点で描かれる物語性の強い楽曲で、ライブでは10分以上に及ぶ即興演奏が展開されることも。

ミック・ジャガーのハーモニカと、キース・リチャーズのスライドギターの掛け合いは、シカゴブルースへのオマージュとしても秀逸です。特筆すべきは、テンポチェンジを巧みに使用したダイナミックな展開!ジミー・ペイジは「これこそがストーンズの真髄」と絶賛しており、多くのブルースロックミュージシャンに影響を与え続けています。

Salt of the Earth

1968年『Beggars Banquet』のアルバムクローザー。キース・リチャーズが冒頭のバースを歌うという異色の展開で始まり、ゴスペルコーラスを採り入れた壮大なアレンジへと発展していきます。

「普通の人々」への讃歌でありながら、どこか皮肉めいた視点を含んだ歌詞は、68年の社会情勢を反映した傑作として評価されています。実はライブでほとんど演奏されることのない楽曲ですが、2006年の映画『The Departed』で使用されたことで再評価の機運が高まり、現在では「最も深みのあるストーンズの社会派ソング」として新たなファン層も獲得しており、バンドにとっても重要なナンバーです。

ローリング・ストーンズの名曲ベスト21:まとめ

60年以上の歴史を誇るローリング・ストーンズの音楽は、まさに現代のロックやポピュラー音楽に通じる理想の教科書と言えるでしょう。本記事で紹介した21曲からも分かる通り、彼らの音楽性は単なるロックバンドの枠を遥かに超越しています。

爆発的なエネルギーを放つロック曲、魂を揺さぶるブルース、繊細な感性が光るバラード、アメリカーナの神髄に迫るアコースティック作品—それぞれのジャンルで、彼らは最高峰の作品を生み出してきました。それを可能にしたのは、ミック・ジャガーとキース・リチャーズという稀代のソングライティング・コンビはもちろん、チャーリー・ワッツ(享年80)の洗練されたドラミング、ロン・ウッドの職人的なギターワーク、そして歴代メンバーたちの比類なき演奏力でした。

特筆すべきは、どの時代においても彼らが「現在進行形のバンド」であり続けたことです。ブルースリバイバルから、サイケデリック、ハードロック、ディスコ、パンクと、音楽シーンが移り変わる中で、常に時代の先端を走り続けました。それでいて、彼らの音楽には一貫してブルースという強固な根幹が存在し、その「ぶれない芯」があるからこそ、様々な挑戦が可能だったとも言えるでしょう。

2021年にチャーリー・ワッツを失いながらも、ミックとキースを中心に音楽活動を継続する彼らの姿は、まさに「ロックンロールの生ける伝説」そのものです。本記事で紹介した楽曲は、彼らの輝かしい足跡のほんの一部に過ぎません。この記事を入り口に、あなただけのお気に入りの一曲を見つけ出してみてはいかがでしょうか?

偉大な名曲カタログを持つローリング・ストーンズだからこそ、リスナーによって「私の好きなストーンズ」は千差万別!それこそが、ストーンズサウンドの懐の深さを物語っているのです。

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