冬の過ごし方は人それぞれ。寒い季節を楽しむ方法はたくさんありますが、今回は「音楽」という視点から冬を愉しむヒントをお届けします。
温かい部屋で1人静かに。お気に入りのカフェでゆっくりと。友人とドライブしながら。恋人と寄り添って。シチュエーションに合わせて音楽を選べば、いつもの冬の日がちょっと特別な時間に変わるはず。
懐かしい70年代から80年代の楽曲、おしゃれな名曲からアップテンポなダンスミュージックまで、冬に聴きたい洋楽をセレクトしてみました。あなたの「冬のプレイリスト」作りのヒントになれば嬉しいです!
カフェで流れてきそう!冬に聴きたいおしゃれな1曲
寒い冬の日、温かい店内で心地よい音楽と出会う。そんなシーンにぴったりの、洗練された6曲をご紹介します。
Coldplay - Fix You (2005)
バンド3作目のアルバム『X&Y』に収録された珠玉のバラード。
クリス・マーティンが当時の妻グウィネス・パルトローを励まますために書いた曲とされています。静かなピアノから始まり、徐々に壮大なサウンドへと展開していく楽曲構成は、多くのリスナーの心を癒してきました。米ビルボードチャートでも59位を記録し、現在でもSpotifyで10億回以上の再生を誇る人気曲!「人生で何か辛いことがあった時、この曲に救われた」という声が世界中から寄せられています。
Adele - Someone Like You (2011)
2011年の名盤『21』からのシングルカット。
失恋から生まれた楽曲とは思えないほど力強く美しいメロディが特徴です。制作の際、アデルは「自分の経験を、誰もが共感できる普遍的な歌に」というビジョンを持っていたそうです。このビジョンは見事に実現し、全米・全英チャートで1位を獲得。グラミー賞でも最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンス賞に輝きました。シンプルなピアノと圧倒的な歌声のみで構成された楽曲は、カフェのBGMとしても絶妙なバランスを保っています。
Norah Jones - Don't Know Why (2002)
デビューアルバム『Come Away with Me』から生まれた大ヒット曲。
ジェシー・ハリスが書き下ろしたこの曲を、ノラ・ジョーンズは自身の柔らかなジャズボーカルで見事に解釈しました。グラミー賞を3部門で受賞し、アルバムは世界で2700万枚以上を売り上げる大成功を収めています。朝のカフェで聴くと、一日が特別な気分で始まる気持ちになれるので、20年以上経った今でも多くのカフェで愛されています。
Michael Bublé - Home (2005)
アルバム『It's Time』からの一曲で、ブーブレ自身が長期の巡業中に故郷を思って書いた楽曲です。
ジャズとポップスの要素を絶妙にミックスした楽曲は、カナダでの1位を含め、世界各国でチャートイン。温かみのある歌声とオーケストレーションが、故郷を思う気持ちを見事に表現しています。冬の夜、この曲を聴くと懐かしい気持ちになって地元の思い出に浸りたくなりますよね!
Corinne Bailey Rae - Put Your Records On (2006)
デビューアルバム『Corinne Bailey Rae』からの爽やかな一曲。
自己肯定感をテーマにした歌詞と、軽やかでウッディーなアコースティックサウンドが特徴です。英国チャート2位、米国ビルボード64位を記録し、グラミー賞にもノミネート。制作時、コリーヌは「女性たちへの応援歌にしたかった」と語っています。カフェでこの曲が流れると、思わず体が揺れ出すような心地よいグルーヴ感が魅力です。
Diana Krall - The Look of Love (2001)
同名アルバムのタイトル曲として発表された名曲。
“巨匠”バート・バカラックの名曲を、クラールならではの艶のある歌声で解釈しました。ロンドンのアビーロード・スタジオでオーケストラと共に録音されたこの曲は、ジャズ・アルバム・チャート1位を獲得。洗練された大人の雰囲気が素敵で、冬の夜のディナーに最適!まさに上質なカフェミュージックの代表格と言えるでしょう。
一度は耳にしたことがある!冬の定番有名ソング
街中のショッピングモールやカフェで、ふと耳に入ってくる冬の定番ソング。思わず口ずさみたくなる、心温まるメロディの数々をご紹介します。
John Legend - All of Me (2013)
モデルのクリッシー・テイゲンとの結婚を控えた時期に書かれた、アルバム『Love in the Future』収録の珠玉のラブソング。ピアノの音色と共に響くジョン・レジェンドの表情豊かな歌声は、多くのカップルの結婚式で定番となっています。
制作時、レジェンドは「彼女への愛を、できる限りシンプルに歌いたかった」と語っています。この想いは見事に実を結び、米ビルボードで3週連続1位を獲得。Spotifyでは20億回以上の再生を記録し、現代のラブソングの金字塔となりました。プロポーズの時にこの曲を流したカップルも多いのでは!?
Ed Sheeran - Perfect (2017)
エド・シーランの大ヒットアルバム『÷(ディバイド)』に収録された、高校時代からの恋人(現在の妻)に捧げたバラード。アコースティックギターと弦楽器の優美なアレンジが特徴で、後にビヨンセとのデュエットバージョンも発表されました。
作曲のインスピレーションは、イタリアでの休暇中に訪れたという逸話も。全英・全米チャートで1位を獲得し、クリスマスシーズンの定番ソングとしても愛されています。初恋の思い出を重ねるリスナーも多い一曲♪
Sam Smith - Stay With Me (2014)
デビューアルバム『In the Lonely Hour』からのブレイクスルー・シングル。ゴスペル調のコーラスと心に響く歌声が特徴的です。孤独と愛を赤裸々に歌った歌詞は、多くのリスナーの心を掴みました。
グラミー賞で年間最優秀レコードを受賞し、全英2位、全米2位を記録。制作時のエピソードとして、コーラスパートは一発録りだったことも明かされています。辛い時期に直面したら、この曲に救われそう!
The Script - The Man Who Can't Be Moved (2008)
アルバム『The Script』からのシングル。ダブリン出身のバンドによる、切ない失恋ソングです。「元恋人との思い出の場所で待ち続ける男性」という印象的なストーリー性の歌詞と、アイリッシュ・ポップの要素を含んだサウンドが特徴。
MVの撮影は実際にダブリンで行われ、バンドの地元愛も話題となりました。全英・アイルランドで2位を記録し、世界的な知名度を獲得。失恋した時、前を向く勇気を貰えそうなパワーがあります。
James Blunt - You're Beautiful (2004)
デビューアルバム『Back to Bedlam』からの大ヒット曲!ロンドンの地下鉄で偶然見かけた女性への想いを歌った楽曲として知られています。元軍人という異色の経歴を持つブラントの透明感のある歌声は、世界中の人々の心を捉えました。
全英1位、全米1位を獲得し、2005年の世界的な大ヒット曲に。アルバムは1100万枚以上を売り上げ、21世紀イギリスの最も成功したアルバムの一つとなっています。シンプルで直球勝負なところが素敵♪
寒い日も体が動き出す!冬のアップテンポ・プレイリスト
寒い冬の日こそ、心躍るビートで気分を上げたい。思わず体が動き出す!そんなダンスチューンの数々をご紹介します。
Bruno Mars - Uptown Funk (2014)
マーク・ロンソンとのコラボレーション作品として発表された、アルバム『Uptown Special』の核となる楽曲。80年代のファンクを現代的に解釈した斬新なサウンドは、音楽シーンに新たな旋風を巻き起こしました。
制作には半年以上もの時間を費やし、完璧なグルーヴ感を追求したという努力は実を結び、全米で14週連続1位という記録的なヒットを達成。グラミー賞レコード・オブ・ザ・イヤーも受賞しています。YouTube再生回数も47億回を超え!ブルーノマーズの底力を全世界に示した一曲!
Dua Lipa - Levitating (2020)
アルバム『Future Nostalgia』からのシングル。パンデミック下での発表にもかかわらず、ディスコ・ポップの魅力で世界中のリスナーを魅了しました。レトロなディスコサウンドと現代的なプロダクションの見事な融合が特徴です。
制作時、デュア・リパは「70年代のディスコミュージックから大きなインスピレーションを受けた」と語っています。2021年米ビルボード・イヤーエンド・ホット100で1位を獲得。「家で踊りたくなる曲No.1」というファンの声も多く、在宅時間が増えた時期の心の支えとなりました。
The Weeknd - Blinding Lights (2019)
アルバム『After Hours』収録の大ヒット曲。80年代のシンセポップを彷彿とさせるサウンドと、現代的なR&Bが絶妙にブレンドされています。制作には、スウェーデンの敏腕プロデューサー、マックス・マーティンも参加!
ビルボード・ホット100で最も長く(90週以上)チャートインし続けた楽曲として歴史に名を刻みました。Spotifyでは30億回以上の再生を記録。ドライブ中に聴くと、映画のワンシーンの主人公になったような気分に浸れます。
Justin Timberlake - Can't Stop The Feeling! (2016)
アニメ映画『トロールズ』のサウンドトラックとして制作された楽曲。純粋な喜びと幸せを表現した歌詞と、誰もが踊りたくなるようなポップなサウンドが特徴です。
全米・全英チャートで1位を獲得し、アカデミー賞とグラミー賞にもノミネート。制作時、ジャスティンは「家族全員で楽しめる曲を作りたかった」と語っており、その想いは見事に実現。子供から大人まで、誰もが笑顔になれる曲ですね♪
Pharrell Williams - Happy (2013)
アニメ映画『怪盗グルー』シリーズのサウンドトラックとして生まれ、後にアルバム『GIRL』にも収録された幸せ溢れる一曲。モータウン・ソウルを現代的にアレンジした軽快なビートが特徴です。
24時間分のミュージックビデオを制作するという革新的なプロモーションも話題に。全米1位、全英1位を含む、世界30カ国以上でチャート首位を獲得しました。この曲を聴くと、どんな時も落ち込み続けることは不可能(笑)
70年代が誇る、冬の夜長に染みわたる名曲
70年代は、フォークやソフトロックの黄金期。時代を超えて色あせることのない、心に染み入るような名曲の数々をご紹介します。
Fleetwood Mac - Dreams (1977)
バンド史上最大のヒットアルバム『Rumours』からのシングルカット。スティーヴィー・ニックスが、わずか10分で書き上げたと言われるこの曲は、バンドの代表作となりました。
制作当時、バンドメンバー同士の複雑な恋愛関係が話題となっていました。ニックスとリンジー・バッキンガムの破局、クリスティン・マクヴィーとジョン・マクヴィーの離婚という状況の中で生まれた楽曲は、切なさと希望が混ざり合った独特の魅力を放っています。
米ビルボードで1位を獲得し、2020年にはTikTokで話題となり、40年以上の時を経て再びBillboard Hot 100にチャートイン!「雨の日に聴くと、特別な気持ちになれる」「母から娘へと受け継がれる大切な一曲」といったファンの声も多く寄せられています。
ミック・フリートウッドの特徴的なドラムパターン、ジョン・マクヴィーの流れるようなベースライン、そしてニックスの神秘的な歌声が織りなす、まさに夢のような空間が魅力です。
Cat Stevens - Wild World (1970)
アルバム『Tea for the Tillerman』に収録された代表作。当時の恋人パティ・ダルシーとの別れを綴った楽曲として知られています。
フォーク・ロックの王道とも言える温かいアコースティックサウンドと、人生の先輩からのアドバイスのような歌詞が、多くの人々の心を捉えました。制作時、キャット・スティーヴンスは「去りゆく人への愛情と心配が入り混じった」と語っています。
英国チャートで11位、米国でも11位を記録。その後、ジミー・クリフやMr.Bigなど、数々のアーティストによってカバーされ、世代を超えて愛され続けています。人生の岐路に立った時、この曲を聴いて勇気をもらった人も少なくないのではないでしょうか?
80年代サウンドで彩る、あったかウィンターミュージック
シンセサイザーの輝きと温かみのあるメロディが特徴の80年代。デジタルとアナログが見事に調和した、心温まる名曲の数々をご紹介します。
Hall & Oates - Out of Touch (1984)
アルバム『Big Bam Boom』からのリードシングル。80年代の最先端のシンセサイザーサウンドと、デュオならではの絶妙なハーモニーが融合した意欲作です。
制作にあたって、当時最新鋭だったデジタル機器を積極的に取り入れたことで話題に。それまでのブルーアイド・ソウル路線から一歩踏み出した挑戦的なサウンドは、見事に成功を収めました。
1984年12月、ビルボードHot 100で1位を獲得。MTVでの放送も相まって大ヒットとなり、ホール・アンド・オーツの最後の1位曲となりました。80年代らしさが詰まった完璧なポップスのお手本ソング!
Journey - Don't Stop Believin' (1981)
アルバム『Escape』収録の大作。アメリカン・ドリームを体現したような歌詞と、壮大なメロディが特徴の一曲です。
スティーヴ・ペリーとジョナサン・ケインが深夜のライティングセッションで生み出したという逸話も。「小さな町の男女」という普遍的なストーリーは、多くのリスナーの共感を呼びました。
発売当時は9位という控えめなチャート成績でしたが、2009年にドラマ「glee」で使用されたことをきっかけに再ブレイク。デジタル配信時代初の300万ダウンロードを達成した80年代の楽曲となりました。私自身も、人生で諦めそうになった時、この曲に救われたことが何度もあります。イントロスタートの0.1秒で既に神ってます!
Michael Jackson - Human Nature (1983)
伝説的アルバム『Thriller』に収録された珠玉のミディアムバラード。TOTOのスティーブ・ポーカロとジョン・ベッティスが作曲し、プロデューサーのクインシー・ジョーンズが即座に採用を決めたという逸話が残っています。
特筆すべきは、TOTOのスティーブ・ルカサーによるギターワーク。繊細かつ表現力豊かなフレージングは、楽曲全体を優しく包み込むように響き、マイケル・ジャクソンのファルセットボーカルと見事な調和を生み出しています。夜景を背景に都会の切なさを歌うこの曲で、ルカサーのギターは都市の光を表現するかのように煌めく!
ビルボードで2位を記録し、その後もSWVやジョン・メイヤーなど、多くのアーティストにカバーされています。マイケルの最も美しいバラードのひとつです。
冬を楽しむ洋楽セレクション:まとめ
冬という特別な季節を共にする音楽には、私たちの心を温め、励まし、時には心地よく揺さぶる不思議な力があります。
この記事でご紹介した楽曲たちも、それぞれ異なる魅力を持っています。カフェで流れる上質な一曲、誰もが知る冬の定番ソング、寒い日を明るく彩るダンスチューン、70年代の温かみのある名曲、そして80年代の輝きに満ちた楽曲たち。
あなたの冬の過ごし方に、これらの曲が寄り添ってくれることを願っています。静かな夜に、賑やかな朝に、大切な人との時間に...。それぞれのシーンで、心に響く一曲が見つかれば嬉しいです。
さあ、素敵な音楽とともに、あなたらしい冬の時間を過ごしてみませんか?