キング・オブ・ポップ=Michael Jackson。彼の死後15年近くが経った今でも、その影響力は色褪せることがありません。世界の音楽シーンを変えた伝説のダンスムーブ「ムーンウォーク」、MTV時代を切り開いた革新的なミュージックビデオ、そして人種や世代を超えて愛される珠玉の楽曲の数々。
しかし、数多くのアルバムやベストアルバムがある中で、「どれから聴き始めれば良いのか?」と悩む方も多いのではないでしょうか?実は、マイケルの音楽には、ディスコサウンドからロック、R&B、そしてヒップホップの要素まで、時代とともに進化を遂げた多彩な魅力が詰まっているのです。
この記事では、初心者の方でも楽しめる名盤TOP3と、マイケル・ジャクソンの音楽の全貌が分かるベストアルバムを厳選してご紹介します。これを聴けば、なぜ彼が「キング・オブ・ポップ」と呼ばれ、今なお世界中で愛され続けているのかが分かるはずです。
マイケル・ジャクソンの名盤TOP3
Thriller - 音楽史を塗り替えた、史上最高の名盤
1982年に発表された『Thriller』は、6500万枚以上の売り上げを誇る史上最も成功したアルバムです。プロデューサーのクインシー・ジョーンズとタッグを組み、ポップ、R&B、ロック、ファンクを見事に融合させた革新的なサウンドは、音楽界に衝撃を与えました。
「Billie Jean」のミステリアスなベースライン、「Beat It」でのエディ・ヴァン・ヘイレンによる伝説的なギターソロ、そしてホラー映画さながらの「Thriller」のミュージックビデオは、今なお色褪せることのない魅力を放っています。特に14分にも及ぶ「Thriller」のミュージックビデオは、MTVの黄金期を象徴する作品となり、グラミー賞8部門受賞という快挙も成し遂げました!
当時の批評家たちは「ポップミュージックの新時代を切り開いた」と絶賛。現代でも音楽関連メディアによるベストアルバムランキングで常に上位にランクインし続けています。
Off the Wall - ソロアーティストとしての転換点
1979年リリースの『Off the Wall』は、The Jackson 5時代から大人のソロアーティストへと華麗な転身を果たした記念碑的アルバムです。ディスコ全盛期に放たれた洗練されたグルーヴと、マイケルの成熟した歌声が見事にバランスしています。
「Don't Stop 'Til You Get Enough」では falsetto(裏声)を駆使した官能的なボーカルが、「Rock with You」ではスムースなディスコサウンドとロマンティックなメロディが魅力的♪制作時、まだ21歳だったマイケルは、プロデューサーのクインシー・ジョーンズと深夜まで曲作りに没頭したといいます。
アルバムは世界中で2000万枚以上を売り上げ、ビルボードチャートで7週連続1位を獲得。『Rolling Stone』誌は「ブラックミュージックの新時代を予感させる革新的なアルバム」と評価!
Bad - 『Thriller』を超えようとした野心作
1987年の『Bad』は、『Thriller』の大成功を受けて5年の歳月をかけて制作された意欲作です。よりアグレッシブなサウンドと都会的なグルーヴ、そして社会派的なメッセージ性を持つ楽曲が特徴です。
収録曲の「Bad」「Smooth Criminal」では、ハードなロックサウンドとダンサブルなリズムを組み合わせた新境地を開拓。「Man in the Mirror」では社会問題への強いメッセージを込め、「The Way You Make Me Feel」ではロマンティックなポップチューンを披露するなど、多彩な音楽性を見せています。
制作時のエピソードとして、プリンスとのデュエット曲を計画していたものの実現しなかったという逸話も。アルバムからは5曲が全米1位を獲得という記録を打ち立て、3500万枚以上の売り上げを記録。商業的成功と芸術性の両立を果たした奇跡の一枚!
マイケルの完璧主義は制作現場でも際立ち、「Smooth Criminal」のレコーディングでは100回以上テイクを重ねたとも言われています。※通常、プロのレコーディングは喉の保護の観点からも2〜3テイク以内で終了することが多いです
この徹底的なこだわりが、いつまでも色褪せない名盤を生み出したのですね。
初心者向けベストアルバム
Number Ones - マイケルの真髄を凝縮!最強の入門版
2003年にリリースされた『Number Ones』は、その名の通り、マイケルの代表的なヒット曲を集めた究極のベストアルバム。Jackson 5時代の「Ben」から、2001年の「You Rock My World」まで、キャリアの集大成とも言える選曲で構成されています。
収録曲はすべてシングルカットされた楽曲で、「Beat It」「Billie Jean」「Black or White」など、誰もが一度は耳にしたことのある名曲ばかり。特筆すべきは、各曲のリマスタリングによって音質が大幅に向上し、現代の音響機器でも最高の状態で楽しめる点!
発売後、世界中で600万枚以上を売り上げ、イギリスでは6週連続アルバムチャート1位を記録。「マイケルの魅力が詰まった完璧なベスト盤」
HIStory: Past, Present and Future, Book I - 過去の栄光と未来への挑戦
1995年発表の『HIStory』は、過去のヒット曲リマスター版(Book I)と新曲(Book II)という革新的な2枚組構成を採用。当時としては異例の制作費2000万ドルを投じ、マイケルの野心的な挑戦が詰まった作品です。
Book Iには「Billie Jean」「Beat It」などの定番曲を最新技術でリマスタリング。Book IIには「Scream」(ジャネット・ジャクソンとのデュエット)、「Earth Song」など、より社会性の高いメッセージを込めた新曲を収録。特に「Earth Song」は環境問題を訴えかける壮大なスケールの楽曲として、ヨーロッパで大きな反響を呼びました。
制作時は、マイケルへのスキャンダル報道の渦中でしたが、その逆境を跳ね返すかのように、世界中で2000万枚以上を売り上げる大ヒットを記録。
The Essential Michael Jackson - 半世紀を完全網羅した決定版
2005年発売の『The Essential』は、The Jackson 5時代から2001年までの楽曲を網羅した、まさに集大成というべき2枚組ベストアルバム。38曲という豊富な収録曲数で、マイケルの音楽的進化を余すところなく体感できます。
幼少期の「I Want You Back」から、成熟期の「Smooth Criminal」、そして後期の「You Rock My World」まで、時系列順に楽曲を配置することで、アーティストとしての成長過程が自然と理解できる構成になっています。また、各時代のヒット曲だけでなく、マニアックな名曲も収録されており、マイケルの多面的な音楽性を堪能できるのが嬉しい!
各時代の音源を最新のデジタルリマスタリング技術で修復し、現代の音響機器でも違和感なく楽しめるよう調整されている点も高評価です。「マイケルの全てが分かる完全版」と言っても過言ではありません。
初心者向けマイケル・ジャクソン入門
マイケル・ジャクソンの魅力とは?
「キング・オブ・ポップ」の称号は、決して誇張されて表現ではありません。マイケル・ジャクソンの魅力は、以下の3つの要素が見事に調和している点にあると言えます。
まず、類まれな音楽性です。幼少期から培った確かな歌唱力、誰もが真似できない特徴的なファルセット、そして繊細かつパワフルなダンスと歌を両立する圧倒的なステージパフォーマンス。彼の音楽は、ポップス、R&B、ロック、ソウルなど、ジャンルの垣根を超越!
次に、革新的なエンターテインメント性です。「Thriller」で確立した物語性のあるミュージックビデオ、「Smooth Criminal」での45度の前傾姿勢、「Billie Jean」でのムーンウォークなど、彼は常に「前例のない表現」に挑戦し続けました。これらは現代のミュージックビデオやダンスパフォーマンスにも大きな影響を与えています。
そして、メッセージ性です。「Man in the Mirror」や「Earth Song」に込められた社会問題への警鐘、「Black or White」での人種差別への抗議など、彼の楽曲には強いメッセージが込められていました。エンターテインメントとメッセージ性の両立は、現代のアーティストたちにとっても共通の課題となっているほどです。
マイケル・ジャクソンのアルバムの選び方
マイケルの音楽を楽しむ際、以下のような選び方をおすすめします。
- 入門編として:
- まずは『Number Ones』などのベストアルバムから
- YouTubeなどで有名なミュージックビデオを視聴
- 興味を持った曲が収録されているオリジナルアルバムへ
- 音楽性で選ぶ:
- ディスコサウンドを楽しみたい → 『Off the Wall』
- ポップスとロックの融合を聴きたい → 『Thriller』『Bad』
- 社会派な楽曲を聴きたい → 『HIStory』
- 時代で選ぶ:
- The Jackson 5時代を知りたい → 『The Essential』
- ソロ黄金期を堪能したい → 『Thriller』『Bad』
- 後期の成熟した作品を聴きたい → 『HIStory』
マイケル・ジャクソンのアルバム売上とその影響
マイケルの音楽的影響力は、驚異的なセールス記録からも明らかです。『Thriller』は現在も世界最高売上(6500万枚以上)を記録し、その他のアルバムも軒並み数千万枚単位の売り上げを達成しています。
しかし、彼の影響力は天文学的な売上記録だけではありません。以下のような革新的な功績が、現代の音楽シーンにも脈々と影響を与えています:
- MTVでの黒人アーティスト初のヘビーローテーション放送を実現し、人種の壁を打ち破る
- ミュージックビデオを「短編映画」というアート作品に昇華
- コンサートをショー・ビジネスとして確立(演出、振付、特殊効果など)
- 慈善活動とエンターテインメントの融合(「We Are The World」など)
多くの人がご存知のとおり、ビヨンセ、ジャスティン・ティンバーレイク、ブルーノ・マーズなど、現代の多くのアーティストが「マイケルから影響を受けた」と公言しています。40年以上前の楽曲が今でも色褪せないのは、彼の音楽が普遍的な魅力を持っているからなのです。
まとめ:初心者がマイケル・ジャクソン聴くなら、この名盤とベスト盤から!
マイケル・ジャクソンの膨大な音楽作品の中から、初心者の方におすすめの入門プランをご紹介します。
まずは、ベストアルバム『Number Ones』から始めることをおすすめします。誰もが一度は耳にしたことのあるヒット曲が詰まっており、マイケルの音楽性を広く理解できます。その中で特に気に入った曲のスタイルに応じて、以下のオリジナルアルバムに進むのが理想的です:
- ディスコサウンドの「Rock with You」が気に入った方 → 『Off the Wall』
- ロック色の強い「Beat It」に惹かれた方 → 『Thriller』
- 都会的な「Smooth Criminal」が印象的だった方 → 『Bad』
より深くマイケルの音楽を知りたい方には、2枚組ベストアルバム『The Essential』がおすすめです。The Jackson 5時代から2000年代までの楽曲を網羅しており、彼の音楽的進化を体感できます。また、社会派な楽曲や実験的な作品に興味を持った方は、『HIStory』で新たな一面を発見できるでしょう。
この記事で紹介した作品をきっかけに、あなたもぜひ「芸術性、メッセージ性、革新性」に溢れるマイケル・ジャクソンの世界を楽しんでくださいね!
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