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ロック

クイーン「世界に捧ぐ」:6枚目のアルバムを解説。収録曲とレビュー

「世界に捧ぐ QUEEN アルバム解説」と記載したアイキャッチ

クイーンの歴史の中でも特にロックなアルバムの一つ、「News Of The World(世界に捧ぐ)」は、1977年10月28日にリリースされたバンドの6枚目のスタジオアルバムです。

このアルバムは、バンドがよりシンプルで直接的なロックへと回帰したことを示し、世界中の音楽ファンに新たなクイーンの魅力を発見させました。
そしてロックの殿堂入りを果たしたクイーンの音楽的多様性と革新性を示す作品として、今でも多くの音楽ファンに愛され続けています。

この記事では、アルバムの基本情報から始まり、収録曲の解説、アルバムが受けた評価やジャケットについて、そしてアルバムタイトルの意味について詳しく見ていきます。

読者の皆さんが「News Of The World」を新たな視点で楽しむ手助けとなれば幸いです。

QUEEN 6枚目のアルバム「News Of The World(世界に捧ぐ)」概要

販売年月日: 1977年10月28日
収録曲数: 全11曲
売上枚数: 世界で600万枚以上(アメリカでの売上は400万枚超)
アルバムの特色: クイーンの音楽性をシェイプアップしてシンプルなロック色を強める試みがなされた。特に「We Will Rock You」と「We Are the Champions」はスポーツイベントなどで広く使われるなど、クイーンの代表曲となった。
参加メンバー: フレディ・マーキュリー 、ブライアン・メイ、ジョン・ディーコン 、ロジャー・テイラー
プロデューサー: クイーン、マイク・ストーン
エンジニア: マイク・ストーン、ゲイリー・ライオンズ
収録スタジオ: バイシング・ストリート・スタジオ、ウェセックス・スタジオ
レーベル: EMI Records、Elektra Records

特別なエディションについては、2011年にリマスター版がリリースされ、未発表曲やライブバージョンのトラックが追加されました。

収録曲:解説とレビュー

1. We Will Rock You (ウィ・ウィル・ロック・ユー)

作詞作曲: ブライアン・メイ

この楽曲は、ブライアン・メイの手によって書かれ、ロックミュージックの新たな境地を開拓した。

メイが観客の一体感を感じたコンサートの経験からインスパイアされて作りました。シンプルなリズムで観客が参加できる楽曲を目指し、フットスタンピングと手拍子で構成されたこの曲は、スポーツイベントなどでも広く使われるようになりました。

シンプルながらも強烈な足踏みと手拍子は、まるで戦士たちが戦いに向かう前の儀式のよう。
この曲が持つ原始的な力と普遍的なメッセージ、そのカタルシスと一体感に魅了されてしまいます。

まさに、ロックのアンセムとして世代を超えて受け継がれる名曲です。

2. We Are the Champions (伝説のチャンピオン)

作詞作曲: フレディ・マーキュリー

敗者からの立ち上がりと栄光への道のりを描いたこの曲に助けられた人も多いでしょう。
もちろん、私もそのうちの一人です。

どんな困難も乗り越えられるという希望のメッセージとして深く愛されています。
どん底のときにも、生きる勇気を与えてくれる魔法の呪文のような曲です。

世界中で愛されるこの曲は、挑戦をやめない者と、成功と達成を祝福するメッセージが込められています。

3. Sheer Heart Attack (シアー・ハート・アタック)

作詞作曲: ロジャー・テイラー

ロジャー・テイラーが書いたこの曲は、クイーンの初期のハードロックスタイルへの回帰を感じさせるパンクロックの影響を受けた楽曲です。
元々はクイーンの早期のアルバム「Sheer Heart Attack」用に書かれたものの、完成までに時間がかかり、本作「News Of The World」に収録されました。

その生々しさと刺激的なサウンドに熱狂して、心臓が口から飛び出そうなほどの衝撃を受けよ!

4. All Dead, All Dead (オール・デッド、オール・デッド)

作詞作曲: ブライアン・メイ

ブライアン・メイが自身のペットの猫にインスピレーションを得て作ったこの曲は、失われた愛と悲しみを静かに語るバラードです。
失われた愛と哀しみを扱っていながらも、どこか慰めと受け入れのメッセージを含んでいます。

静かな夜に、一人でひそかに涙するような場面で聴きたくなります。

5. Spread Your Wings (永遠の翼)

作詞作曲: ジョン・ディーコン

ジョン・ディーコンが書いたこの曲は、限られた環境から脱出しようとして自立と自由を求める若者の物語を描いています。

そのシンプルながらも心に響くメッセージとメロディー。
ファンからは、自分自身の可能性を信じ、新たな一歩を踏み出す勇気を与えられるとして、特に高く評価されています。

小さな鳥が大空へ羽ばたく瞬間の美しさが思い浮かびますね。

6. Fight From The Inside (秘めたる炎)

作詞作曲: ロジャー・テイラー

内面の闘いと自己実現の旅をテーマにしたこの曲は、自己発見と自己実現のプロセスをテーマにしています。自分自身との戦いと成長の物語が描かれています。

サウンド的には、ロジャー・テイラーのタイトなドラミングとシャープなギターリフが印象的です。

自分自身と向き合い、内なる力を引き出す励ましを欲しいときに聴きたい一曲。

7. Get Down, Make Love (ゲット・ダウン、メイク・ラブ)

作詞作曲: フレディ・マーキュリー

フレディ・マーキュリーの官能的で挑発的な歌詞が特徴のこの曲は、独特のサウンドエフェクトと複雑なアレンジが際立っています。

音楽評論家は、その実験的なアプローチを評価。
曲中の「空間」「すき間」の活かし方が、楽曲が持つ情熱的でセクシャルな雰囲気を見事に昇華させています。

禁断の愛の誘惑に抗えない魔力(!?)

8. Sleeping On The Sidewalk (うつろな人生)

作詞作曲: ブライアン・メイ

この曲は、ブライアン・メイが書いたブルースナンバーで、成功と挫折をテーマにしています。

一発録りのライブ感溢れるパフォーマンスが特徴です。
まるで夜の街角でひとり思いを馳せるような、哀愁とブルースマンの温もりを感じさせる曲です。

メイのギター・プレイも、普段の演奏アプローチとは全然違う、正統派ブルースのフレージングを貫き通しているところがブルースへの敬意を感じます。

バーボンウイスキーを片手にどうぞ!

9. Who Needs You (恋のゆくえ)

作詞作曲: ジョン・ディーコン

ジョン・ディーコンがラテン音楽の要素を取り入れて作ったこの楽曲は、アコースティックギターのリズミカルな演奏が印象的です。

軽快さと親しみやすいハートフルなアレンジは、身近な愛する人とのひとときを想像させる。
そして明るく楽しい雰囲気の中にも、ほんのり淡い切なさも感じ取れて、愛の喜びと葛藤を踊るように表現した楽曲です。

10. It's Late (イッツ・レイト)

作詞作曲: ブライアン・メイ

ブライアン・メイが情熱的な恋愛をテーマに作った「It's Late」は、クイーンの楽曲の中でも特にドラマチックな構成となっています。

恋人たちの間の情熱とその終焉を扱っているこの楽曲は、愛の物語を3つの異なるセクションで展開し、恋愛のさまざまな面を探る試みがなされています。

感情の起伏を生き生きと描き出して、恋のもどかしさや切なさを描いた歌詞とメロディに強く共感。
この曲を聴いて、たまには静寂の中で心の奥底から溢れ出る感情の波に飲まれましょう。

11. My Melancholy Blues (マイ・メランコリー・ブルース)

作詞作曲: フレディ・マーキュリー

ピアノとボーカルでじっくりと語りかけるこの楽曲は、ジャズクラブでの演奏を思わせるような雰囲気を持っています。

フレディの表現力の幅広さと、繊細な感性の共存。
静かな夜にひとりで聴きたくなるような、内省的でメランコリックな曲です。

ふらっと立ち寄った酒場で流れていそうなスモーキーなジャズ・ブルース。
心に残る寂寥感と哀愁を、フレディの柔らかな声が優しく包み込んでくれるようです。

アルバムの特徴がわかる、レーダーチャート

QUEEN 6枚目のアルバム「News Of The World(世界に捧ぐ)」の特徴を示したレーダーチャート

アルバム・ジャケット

クイーンの6枚目のアルバム『News Of The World』のアルバムジャケットとアートワークは、ロック史上でも特に記憶に残るものの一つです。

このアルバムのカバーアートは、アメリカのSFアーティスト、フランク・ケリー・フリアスによって描かれました。

フリアスは、1953年10月号の「Astounding Science Fiction」誌の表紙で使用された彼の作品「The Gulf Between」のイラストを基にして、アルバムのために新たな作品を作成しました。

アルバムジャケットのデザイン

  • 巨大ロボット: アルバムの表紙は、巨大なロボットが手に持った死体を見下ろしている衝撃的なシーンを描いています。このロボットが何をしたのか、なぜ人間を殺したのかという物語が視覚的に語られます。
  • バンドメンバーの配置: オリジナルのイラストでは一人の死体でしたが、アルバムのカバーではクイーンのメンバーがその位置に描かれています。フレディ・マーキュリーとブライアン・メイがロボットの手の中に、ジョン・ディーコンとロジャー・テイラーは地面に倒れている姿が描かれています。

アートワークの背景

  • バンドとの関連: このアートワークは、クイーンの音楽が持つ力強さと時に衝撃的な特徴を視覚的に表現しています。アルバム『News Of The World』は、バンドの音楽スタイルの変化を示す作品であり、そのダイナミックな変化をアートワークが反映しています。
  • アートワークの選定: ロジャー・テイラーが「Astounding Science Fiction」誌の表紙を見つけ、バンドがアルバムカバーにこのイメージを使用することを提案しました。フランク・ケリー・フリアスに連絡を取り、アルバムのためにイラストの修正を依頼しました。

文化的影響

このアルバムジャケットは、ロックミュージックとSFアートの融合という点で文化的に重要な作品となりました。

フランク・ケリー・フリアスの力強く、想像力豊かなイラストは、クイーンの音楽と完璧にマッチしており、アルバム『News Of The World』のテーマや音楽を強化しています。
また、このアルバムジャケットは、多くのファンやアートコレクターに愛され続けており、クイーンのアルバムの中でも特にアイコニックな存在となっています。

チャート順位

イギリス (UK)

イギリスではアルバムチャートで最高4位に達しました。この成績は、クイーンが英国内で堅固な人気を維持していることを示しています。

アメリカ (US)

アメリカではより高い成功を収め、ビルボードのTop Albums Chartで最高3位にランクインしました。アルバムはアメリカだけで400万枚以上を売り上げ、リードシングル「We Are the Champions」は、Billboard Hot 100で4位に到達するなど、商業的にも大きな成功を収めました。

日本

日本ではオリコン2位を記録し、前作に続き『News of the World』もまた多くの日本のファンに受け入れられたことは間違いありません。

世間の評価(評論家・ファンの評価)

『News of the World(世界に捧ぐ)』は、1977年のリリース以来、批評家やファンからの評価が経年変化し、現在ではバンドの代表作の一つとして高く評価されています。

批評家からの評価

  • 初期の反応: 当初、批評家からの反応は混在していました。アルバムのよりシンプルで直接的なアプローチは、一部の批評家からは前作『A Night at the Opera』や『A Day at the Races』に比べて野心的ではないと見なされていました。しかし、他の批評家は、クイーンが時代の流れに合わせて音楽スタイルを変化させたことを評価しました。
  • 長期的な再評価: 時が経つにつれて、『News of the World』はクイーンの最も重要なアルバムの一つとして再評価されています。特に「We Will Rock You」と「We Are the Champions」という二つのアンセムが含まれていることで、ロック史における不朽の名盤と見なされるようになりました。批評家はこれらの曲の普遍的なアピールと、アルバム全体のコンパクトながら力強いプロダクションを称賛しています。

ファンからの評価

  • ファンの支持: ファンからは、リリース当初から一貫して高い評価を受けています。『News of the World』は、クイーンのライブでの定番曲を多数含んでおり、特に「We Will Rock You」や「We Are the Champions」は、コンサートのハイライトとして多くのファンに愛されています。
  • 歴史的重要性: ファンの間では、このアルバムがクイーンのキャリアにおける転換点であり、バンドがより幅広いリスナー層にアピールするために音楽スタイルを進化させたことが評価されています。また、アルバムは時間を超えて多くの新しいファンを獲得し続けており、クイーンのレパートリーの中でも特に親しみやすい作品とされています。

総合的な視点

『News of the World』は、批評家とファンの両方からの評価を時間とともに集め、クイーンのディスコグラフィーの中で独自の地位を確立しています。

アルバムは、バンドがよりストレートな音楽を求める中で制作されたものであり、それが結果的に大衆文化における永続的な影響を与える作品となりました。

批評家による初期の賛否両論から長期的な肯定的な再評価に至るまで、クイーンの創造性と変化する姿勢を象徴するアルバムとして、音楽史にその名を刻んでいます。

アルバム・タイトル

このアルバムタイトルは、音楽のみならず、その背後にある意図やコンセプトについても興味深い意味を含んでいると捉えられます。

洋題:『News of the World』

  • 背景: タイトルは、イギリスの同名の新聞「News of the World」から取られています。この新聞は、かつてイギリスで発行されていた週刊紙で、大衆向けのニュースやスキャンダル、ゴシップなどを掲載していました。アルバムタイトルは、社会的な出来事や人々の関心事に触れるクイーンの楽曲の内容と、当時の世界情勢や公衆の関心を反映したものと解釈されることがあります。
  • 意図: タイトルには、世界からのニュースや情報、そしてその時代の社会を鋭く観察し、音楽を通じてそれを表現するというバンドの意図が込められています。また、新聞のタイトルを借用することで、アルバムが多様なテーマやメッセージを含む"ニュース"を提供するというメタファーともなっています。

邦題:『世界に捧ぐ』

  • 解釈: 日本では、アルバムは『世界に捧ぐ』というタイトルでリリースされました。この邦題は、アルバムの内容が世界中のリスナーに向けて捧げられたメッセージや音楽であるという意味合いを持ちます。洋題の直訳ではなく、アルバムが持つ普遍性やバンドの音楽的メッセージを世界に届けるという願いを表現していると言えるでしょう。

『News of the World』というタイトルは、クイーンがこのアルバムを通じて提供した音楽的な"ニュース"が、当時のリスナーに新鮮な衝撃や共感を与え、現在でも多くの人々に愛され続ける理由を象徴しています。邦題『世界に捧ぐ』は、その普遍的なメッセージと音楽が国境を越えて人々に受け入れられることを願うクイーンの姿勢を上手く反映しているでしょう。

クイーン 6枚目のアルバム「News Of The World(世界に捧ぐ)」解説のまとめ

クイーンの6枚目のスタジオアルバム「News Of The World(世界に捧ぐ)」は、1977年のリリース以来、音楽史における不朽の名作としてその地位を不動のものにしています。

このアルバムが特別なのは、単にヒット曲を多数収録しているからだけではありません。
それぞれの楽曲が、メンバー個々の深い感情や体験、そして彼らが音楽を通じて伝えたかったメッセージの真髄を反映しているからです。

アルバムは、「We Will Rock You」や「We Are the Champions」のような永遠のアンセムから、「My Melancholy Blues」のような内省的でメランコリックな楽曲まで、驚くほど幅広い音楽的表現を見せています。

この多様性は、クイーンが音楽のジャンルや形式にとらわれず、常に新たな音楽的地平を探求していたことの証です。各メンバーが作曲に関わり、その多才さがアルバム全体の豊かさと深みを生み出しています。
ロック、ポップ、ブルース、そしてジャズといった様々な音楽の要素が見事に融合され、それぞれの楽曲が独自の物語と感情を持って聴き手に迫ります。

また、「News Of The World」はクイーンが社会と対話する手段でもありました。
アルバムのジャケットアートワークから始まり、収録された楽曲のテーマに至るまで、当時の社会情勢や人々の心情に触れ、時には慰めや勇気を、時には共感や反響を呼び起こしました。

特に、「We Will Rock You」と「We Are the Champions」は、スポーツイベントや公の場で頻繁に使用され、多くの人々にとって勝利と絆の象徴となっています。

このアルバムが今なお多くの音楽ファンに愛され、評価され続けている理由は、クイーンが音楽を通じて伝えた普遍的なメッセージと、聴き手の心に深く響く感情の表現にあります。

時代を超えて人々の心を捉え続ける「News Of The World」は、音楽が持つ力を象徴する作品として、これからも長く記憶され続けるでしょう。
新しい世代のリスナーたちがこのアルバムを発見し、それぞれの楽曲から新たなインスピレーションを受け取ることを期待してやみません。

クイーンの全アルバムを解説した記事も、合わせてご覧ください。

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