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ロック

クイーン「Queen II」:2枚目のアルバムを解説。収録曲とレビュー

「クイーンⅡ」QUEEN アルバム解説 と記載したアイキャッチ

クイーンのセカンドアルバム「Queen II」は、イギリスの伝説的ロックバンドが放つ、独自の音楽世界をさらに深化させた作品です。このアルバムは、バンドの実験的精神と音楽的才能が融合した、多様性に富んだトラックで構成されています。読者の皆さんがこのアルバムを深く理解し、楽しむために、以下の詳細な解説をご覧ください。

QUEENのセカンドアルバム「QueenII – クイーン II」概要

販売年月日: 1974年3月8日
収録曲数: 全11曲
セールス: イギリス国内でゴールド認定
アルバムの特色: クイーンの多様な音楽性を示す作品で、プログレッシブ・ロックからハード・ロック、バラードまで幅広いジャンルが含まれる。
参加メンバー: フレディ・マーキュリー、ブライアン・メイ、ジョン・ディーコン、ロジャー・テイラー
プロデューサー: ロイ・トーマス・ベイカー、クイーン
エンジニア: マイク・ストーン(レコーディングエンジニア、ミックスエンジニア)
収録スタジオ: トライデント・スタジオズ、ロンドン
特別エディション: 2011年にリマスター版がリリースされ、未発表トラックやレア・トラックが追加された。
レーベル: EMI Records、Elektra Records

収録曲:解説とレビュー

1. 「Procession」(プロセッション)

作詞作曲: ブライアン・メイ

このインストゥルメンタル曲はアルバムのオープニングトラックとして機能し、ブライアン・メイのレイヤードギターによる華麗なる入場行進曲です。壮大さと静寂のバランスが特徴です。

まるで中世の王が進行するかのような荘厳さをギター一本で表現しており、アルバムの幕開けに相応しいトラックです。
メイのギターワークは、リスナーを即座にクイーンの世界へと引き込む魔法のような役割を果たし、アルバム全体のトーンを設定します。重ねられたギターの層が、その後展開される音楽の旅への期待を高める役割をバッチリこなしている。

2. 「Father to Son」(父より子へ)

作詞作曲: ブライアン・メイ

父から息子へと受け継がれる遺産と絆をテーマにしたこの曲は、力強いギターワークと壮大なコーラスが特徴です。
ギターの音色は時に優しく、時に激しく、世代間のつながりという普遍的なテーマを音楽を通して表現しています。

深い感情と家族の絆を描きながら、クイーン特有の壮大なサウンドを聴かせてくれる名曲です。

3. 「White Queen (As It Began)」(ホワイト・クイーン)

作詞作曲: ブライアン・メイ

美しくも切ないメロディと詩的な歌詞が印象的なバラード。ブライアン・メイの繊細なギタープレイが際立ちます。
幻想的な世界観を持つ「White Queen (As It Began)」は、メイのギターとマーキュリーのボーカルが見事に融合した楽曲です。

歌詞は愛と喪失の感情を繊細に描き出し、聴く者を一瞬で哀愁を帯びた物語へと誘います。
サウンドに少し「不穏さ」を感じさせるコードワーク・アレンジを施していたり、エレキ・シタールを加えたりという抑揚の付け方が他のバンドではなかなか味わえない魅力のひとつ。

4. 「Some Day One Day」(サム・デイ・ワン・デイ)

作詞作曲: ブライアン・メイ

アルバム内でブライアン・メイがリードボーカルを取る唯一の曲。アコースティックギターの温もりと希望に満ちた歌詞が心地良い。
未来への希望と楽観を歌っており、静かながらも力強い希望のメッセージを伝える曲で、メイの柔らかなボーカルが印象的です。

日常の中に潜む美しさと、時間がもたらす変化への前向きな見方を表現しているこの楽曲は、歴代のクイーン楽曲の中でも特に心温まる作品の一つとして際立っています。

5. 「The Loser in the End」(ルーザー・イン・ジ・エンド)

作詞作曲: ロジャー・テイラー

ドラマーのロジャー・テイラーによるこの曲は、母親と成長する息子との間の葛藤を描いています。ロックンロール・ビートでテイラーのパワフルなドラミングとボーカルが際立つ、エネルギッシュな楽曲です。

テイラーのいぶし銀的なソングライティング能力が光りますね。
左チャンネルに振られたレスリースピーカーのサウンドがこの曲の全体をバランスよくまとめてくれています。

6. 「Ogre Battle」(オウガ・バトル)

作詞作曲: フレディ・マーキュリー

ハードロックとファンタジーが融合したこの曲は、激しいバトルシーンを音楽で描写しています。前衛的なアレンジが光ります。

「Ogre Battle」は、その名の通り(オーガ(巨人)たちの)壮絶な戦いを音楽で表現したトラックで、クイーンのストーリーテラーとしての創造力の高さを感じさせます。
メンバーの心の底にある野心みたいな感情も垣間見える秀作。

7. 「Fairy Feller's Master-Stroke」(フェアリー・フェラーの神技)

作詞作曲: フレディ・マーキュリー

リチャード・ダッドの絵画にインスパイアされたこの曲は、奇妙で魅力的なキャラクターが登場する物語を奏でます。

複雑で詳細な楽曲構成が際立つ「Fairy Feller's Master-Stroke」は、複雑な構成とキャッチーなメロディが特徴で、クイーンの音楽の中でも特に独創的な作品です。マーキュリーの詩的な歌詞とバンドの精密な演奏が、物語を生き生きと描き出しています。

アレンジ的にも、何層にも及ぶ調性のコントロールがものすごい。まさに神技。

8. 「Nevermore」(ネヴァーモア)

作詞作曲: フレディ・マーキュリー

短いながらも感動的なピアノバラード。切ない恋の終わりを優しく哀しいメロディで描きます。

マーキュリーのピアノと声だけで構成されており、そのシンプルさが歌の感情的な重みを一層際立たせています。短いながらも、クイーンの楽曲の中でも空間を活かした作品の一つとして、必聴の一曲。

おそらく、アルバム内の曲と曲を繋ぐ意味合いの小曲として意図的に組み込んでいるのではないか。

9. 「The March of the Black Queen」(マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン)

作詞作曲: フレディ・マーキュリー

複雑な構造と壮大なスケールを誇るこの曲は、クイーンのプログレッシブロックの面を強調しています。

マーキュリーの創造的なビジョンとバンドのテクニカル面の技術のバランス完璧に融合しており、変化に富んだリズムとメロディが終始崩壊せずに成立しているところがやはり天才的。クイーンマニアにもプログレ好きにも刺さる、ちょっと癖になる一曲。

10. 「Funny How Love Is」(ファニー・ハウ・ラヴ・イズ)

作詞作曲: フレディ・マーキュリー

愛の不思議と喜びをテーマにしたこの軽快なポップソングは、アルバムの中で一転して明るい雰囲気をトッピングしています。

マーキュリーの歌詞は愛の普遍的な魅力を捉え、リスナーにポジティブなエネルギーを与えてくれるから不思議です。そして、バンドのコーラスワークがこの楽曲のキャッチーさを一層引き立てています。

11. 「Seven Seas of Rhye」(輝ける7つの海)

作詞作曲: フレディ・マーキュリー

クイーンの初期を象徴するこの曲は、ファンタジックな世界観と壮大なメロディが特徴です。
マーキュリーのドラマティックなピアノプレイと力強いボーカルが、アルバムを完璧に締めくくる。

この楽曲は、バンドの早期の成功を確立したトラックであり、そのキャッチーさとエネルギッシュな演奏は今日でも多くのファンに愛されており、その魅力は今日でも色褪せません。

イントロのピアノアルペジオ一発で、すでに名曲確定。
他のアーティストなら、アルバムの1曲目に持ってきそうなところを、あえて最後に持ってくるところも良い意味でぶっ飛んでいる。

アルバムの特徴がわかる、レーダーチャート

クイーンⅡのアルバムの特徴がわかる、レーダーチャート

アルバム・ジャケット

『Queen II』のアルバムジャケットとアートワークは、クイーンのビジュアルアイデンティティにおいて特に象徴的なものとして知られています。

このアルバムのカバー写真は、有名なロックフォトグラファーであるミック・ロックによって撮影されました。この写真は、バンドメンバーが黒を基調とした衣装を身に着け、神秘的な光と影の中で並んでいる姿を捉えたものです。

アルバムジャケットの特徴

白と黒のテーマ: アルバムのビジュアルコンセプトは「白と黒」を基調としており、アルバムの二面性を象徴しています。オリジナルのLPでは、アルバムの一面が「ホワイトサイド」、もう一面が「ブラックサイド」と名付けられていました。このコンセプトは、バンドのメンバーそれぞれの楽曲のスタイルや感情の対比を視覚的に表現しています。

撮影者ミック・ロック: ミック・ロックは、デヴィッド・ボウイ、ルー・リードなど、多くの著名なアーティストの写真を撮影してきたことで知られるフォトグラファーです。『Queen II』のジャケット写真は、彼のキャリアの中でも最も有名な作品の一つとされ、クイーンのアイコニックなイメージを確立するのに大きく貢献しました。

影響を受けたイメージ: アルバムカバーのポーズは、1932年の映画『上海特急』に出演していたマレーネ・ディートリッヒの写真からインスピレーションを受けています。このポーズは、後にクイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」や「One Vision」のミュージックビデオでも使用されるなど、バンドのシンボルとして繰り返し登場します。

チャート順位

全英:5位(ミュージック・ウィーク)
全米:49位(ビルボード)
日本:26位(オリコン)

イギリス (UK)

イギリスでの『Queen II』の成功は、クイーンのキャリアにおいて非常に重要なマイルストーンでした。
ミュージック・ウィークのチャートで最高5位を記録したことは、バンドの地元での人気が急速に高まっていることを示しています。

このアルバムの成功により、クイーンはイギリス国内での地位を固めることができました。
また、この時期には彼らのスタイルと音楽性が確立され、後の『A Night at the Opera』などの大ヒット作につながる基盤が形成されました。

アメリカ (US)

アメリカでは、『Queen II』はビルボード200で最高49位に達しました。
この成績は、イギリスに比べると控えめなものでしたが、アメリカ市場におけるクイーンの存在感を徐々に高めることに貢献しました。

特に、「Seven Seas of Rhye」のシングルが注目を集め、アメリカのリスナーにクイーンの音楽を紹介する重要な役割を果たしました。このアルバムを通じて、アメリカでのクイーンのファンベースが拡大し始め、後のアルバムでの成功への道を開いたと言えます。

日本

日本における『Queen II』のチャート成績は、オリコンチャートで最高26位となりました。

日本市場においてもクイーンは高い人気を誇り、このアルバムは彼らの音楽が日本のロックファンから広く受け入れられていることを示す成果となりました。日本でのこの成功は、クイーンが後に行う数多くの日本ツアーの基盤を築き、日本における彼らの伝説的なステータスの始まりとなりました。

総括

『Queen II』の各国でのチャート成績は、クイーンが世界的なロックバンドとしての足場を固める上で重要なステップでした。

イギリスでの著しい成功、アメリカでの認知度の向上、そして日本での人気の確立は、彼らの音楽が幅広い地域で受け入れられていることを示しています。このアルバムからの学びと経験は、クイーンが後にリリースする数々の伝説的なアルバムにつながる貴重な財産となりました。

世間の評価(評論家・ファンの評価)

『Queen II』はリリース当時から現在に至るまで、評論家やファンからの評価が高いアルバムとして知られています。その独特な構造、音楽的野心、そしてクイーンの特徴的なサウンドの発展が評価され、多くの面でバンドのキャリアにおいて重要な位置を占めています。

評論家からの評価

  • 音楽的野心: 『Queen II』は、その音楽的野心と複雑さにおいて高く評価されています。アルバムはプログレッシブロック、ハードロック、グラムロックなど、さまざまなジャンルを巧みに融合させており、クイーンの多面的な音楽性を示しているとの評価が多い。
  • 制作技術: ロイ・トーマス・ベイカーによる洗練されたプロダクションと、バンドメンバーの技術的な演奏力も高い評価を受けています。特に、ブライアン・メイのギターワークとフレディ・マーキュリーのボーカルパフォーマンスは、このアルバムのハイライトとされています。
  • アートワーク: アルバムのビジュアルアイデンティティも評論家からの注目を集めており、ミック・ロックによるアルバムジャケットは、クイーンのビジュアル表現のアイコニックな例として評価されています。

ファンからの評価

  • カルト的人気: 『Queen II』は特にクイーンのファンから熱狂的に支持されており、多くのファンにとってバンドの最高傑作の一つと考えられています。アルバムの「サイドホワイト」と「サイドブラック」に分けられた構造は、聴き手に深い印象を与えています。
  • ライブでの演奏: アルバムに収録されている曲の中には、ライブパフォーマンスでのハイライトとなるものも多く、特に「Ogre Battle」や「Seven Seas of Rhye」はファンにとってのお気に入りの曲となっています。

長期的な評価

『Queen II』はデビューアルバムと同様に、リリース後に時間を経てその価値が再評価されるアルバムとなりました。

初期のクイーンの音楽的探求心と創造性を象徴する作品として、現代でも多くの新たなリスナーを引きつけています。また、音楽史におけるクイーンの位置を確立する上で、『Queen II』は欠かせないアルバムとして位置づけられています。

アルバム・タイトル

『Queen II』は、クイーンが1974年にリリースした2枚目のスタジオアルバムです。

このアルバムのタイトルは、バンド名に続く「II」を付けることで、デビューアルバムの直接的な続編であることを示しています。シンプルながらも意味深いこのタイトルは、クイーンの音楽的進化を体現しており、彼らのキャリアの初期段階における野心と創造性を象徴しています。

洋題:『Queen II』

  • 意味: 「Queen II」というタイトルは、クイーンのセカンドアルバムであることを明確に示しています。これは、彼らの音楽的な旅路がまだ始まったばかりであり、さらなる発展を遂げる可能性を秘めていることを暗示しています。
  • 音楽的進化: このアルバムは、デビューアルバムからの音楽的な進化を示しており、より複雑で野心的な作品を目指していました。『Queen II』は、クイーンの独特なサウンドとスタイルが確立された重要な作品とされています。

邦題:『クイーン II』

  • 意味: 日本でのリリースに際しても、オリジナルのタイトルがそのまま使用されています。邦題に特別な変更を加えることなく「クイーン II」とされたことは、バンド名とアルバム番号のシンプルな組み合わせが、国際的にもそのまま受け入れられるほどクイーンが認知されていたことを示しています。
  • 副題の使用: ただし、日本のリリースにおいては、『ホワイト・クイーンとブラック・クイーンの啓示』という副題が付けられる場合もあります。これはアルバムの内容を象徴する「ホワイトサイド」と「ブラックサイド」のコンセプトを反映したものであり、アルバムの構造とテーマ性を強調する役割を果たしています。

『Queen II』のタイトルは、そのシンプルさの中にもバンドの野心と、音楽的な深さを象徴するものとなっています。後のクイーンの作品に続く、初期の重要な足跡として、このアルバムとそのタイトルはファンや音楽評論家から特別な意味を持って捉えられています。

クイーン「Queen II」アルバム解説のまとめ

クイーンのセカンドアルバム「Queen II」は、バンドの創造的な野心と音楽的多様性を示した画期的な作品です。

アルバムは、ブライアン・メイ、フレディ・マーキュリー、ロジャー・テイラーの個々の作詞作曲能力を前面に押し出し、彼らの音楽的才能の幅広さを証明しています。
「Procession」の荘厳な開幕から、「Seven Seas of Rhye」の壮大なフィナーレまで、リインストゥルメンタルからハードロック、バラード、そしてプログレッシブロックと、各トラックはバンドが探求した様々な音楽ジャンルの中で、独自の魅力を放っています。

このアルバムは、クイーンが後に世界的な成功を収めるための基盤を築いたと同時に、彼らの音楽が持つ独創性と実験性を確立しました。音楽的にも詩的にも野心的な「Queen II」は、バンドがこれから進む道を示唆しており、その後の作品にも大きな影響を与えています。

「Queen II」は単なるアルバム以上のものであり、クイーンが音楽界に残した不朽の作品です。

クイーンの全アルバムを解説した記事も、合わせてご覧ください。

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