暖かな陽気に誘われて、ふと窓を開けたくなる季節。春の柔らかな風が運んでくる心地よい空気は、私たちの気持ちも自然とリフレッシュしてくれます。そんな春の訪れを、素敵な音楽とともにより豊かに楽しんでみませんか?
季節の移ろいを音で感じる体験は、私たちの日常に特別な彩りを添えてくれます。桜が咲き誇る並木道でのランニング、新芽が顔を出し始めた公園でのピクニック、カフェで過ごす穏やかな午後。それぞれのシーンに寄り添う洋楽の存在は、春という季節をより印象的な思い出へと変えてくれるはずです。
今回は、朝から夜まで、様々なシーンで楽しめる厳選の21曲をご紹介します。80年代の懐かしくも新鮮な名曲から、インディーズ楽曲まで、幅広いセレクションでお届けします♪このプレイリストが、あなたの春のサウンドトラックとなれば幸いです。
朝の始まりを彩る爽やかなナンバー
Morning Has Broken - Cat Stevens
1971年にアルバム「Teaser and the Firecat」に収録されたこの楽曲は、スコットランドの伝統的な讃美歌をポップスにアレンジしたものです。
透明感のある美しいピアノの旋律と、Stevensの優しい歌声が、朝の静けさと希望を見事に表現していますね!リリース当時、この曲は英国チャートで第9位、米国でも第6位を記録。特に優雅なピアノパートは、後にYes等で活躍するRick Wakemanが演奏したことでも知られています。
I Can See Clearly Now - Johnny Nash
1972年にリリースされたこの曲は、Johnny Nashが自身の代表作として世に送り出した楽曲です。
米国ビルボードチャートで4週連続1位を獲得したこの曲は、雨上がりの空のような清々しさを纏っています。レゲエのリズムを取り入れたポップスという斬新なアプローチは、当時のミュージックシーンに新しい風を吹き込みました。シンプルながら、生命力や活力をプッシュしてくれるようなサウンドは朝イチにピッタリ♪
Three Little Birds - Bob Marley & The Wailers
1977年のアルバム「Exodus」に収録された、レゲエ史に輝く名曲です。
"Don't worry about a thing, 'Cause every little thing gonna be alright"という印象的なフレーズは、40年以上を経た今でも、世界中の人々の心を癒し続けています。実は、この曲のインスピレーションは、Bob Marleyの自宅の窓辺に毎朝訪れる3羽の小鳥から得たという可愛らしい逸話も。
楽曲にシンクロさせたMVのアニメーションにも癒やされますね(笑)
Mr. Blue Sky - Electric Light Orchestra
1977年のアルバム「Out of the Blue」からの楽曲。
Jeff Lynneが2週間もの間、スイスアルプスで天候に恵まれない日々を過ごした後、ついに見た青空からインスピレーションを得て作曲したと言われています。ビートルズを彷彿とさせるメロディラインと、クイーン的なオーケストラのサウンドが見事に調和した壮大な楽曲は、今でもスポーツイベントやCMなど、様々な場面で使用されているので、どこかで聴いたことがあるかも?
Saturday in the Park - Chicago
1972年にリリースされたChicagoの代表曲の一つ。
Robert LammがNew Yorkのセントラルパークで過ごした4th of Julyの情景をもとに作曲したこの曲ですが、日本の風土の感覚だと、7月よりも4月くらいのイメージがしっくりきます。
ビルボードチャートで3位を記録。軽快なピアノの音色と、ホーンセクションの華やかなアレンジが、休日の朝の解放感を見事に表現していますね!
春のドライブや散歩にぴったりな曲
Good Life - OneRepublic
2010年のアルバム「Waking Up」から生まれたこの楽曲は、世界中で大きな反響を呼びました。
Ryan TedderとBrent Kutzleが、ヨーロッパツアー中のパリでの体験をもとに作曲したという背景を持つパワーポップ。軽快な口笛と、前向きな歌詞が織りなす爽やかなメロディは、ビルボードHot 100で8位を記録。特にサビの"Oh this has gotta be the good life"というフレーズは、春の開放感と見事にマッチ。パリの街並みをイメージして作られた楽曲だけに、散歩時の景色と不思議なシンクロを感じられるはずです。
Dreams - The Cranberries
1993年、アルバム「Everybody Else Is Doing It, So Why Can't We?」に収録された「Dreams」は、The Cranberriesの代表作!
故Dolores O'Riordanの特徴的なボーカルと、印象的なギターリフが生み出す浮遊感のあるサウンドは、UK Singles Chartで27位を記録。この曲が生まれた背景には、バンドのメンバーが初めて感じた成功の予感と希望が込められているとされています。春の空気感にぴったりのエアリーなサウンドは、散歩中の心を解き放ってくれることでしょう♪
On The Road Again - Willie Nelson
1980年、映画「Honeysuckle Rose」のサウンドトラックとして書き下ろされたこの曲は、カントリーミュージックの新基準となりました。
実際のツアー生活から着想を得て書かれた歌詞は、ドライブの楽しさを率直に表現。グラミー賞最優秀カントリーソング賞を受賞し、カントリー・チャートで1位を獲得しています。小気味よく響くギターとブルースハープ、Nelsonの味のある歌声は、春のロードトリップの伴侶として外せません!
Wouldn't It Be Nice - The Beach Boys
1966年の記念碑的アルバム「Pet Sounds」の冒頭を飾るこの楽曲は、The Beach Boysの美味しいところをたっぷり堪能できる名曲。
Brian WilsonとTony Asherが紡ぎ出した夢見るような歌詞と、複雑な和声によるコーラスワークは、春の陽気にぴったり。制作時には40回以上のテイクを重ねたと言われ、その緻密なアレンジは音楽史に大きな影響を与えました。特にサビのハーモニーは、春の青空に向かって歌いたくなるような開放感を備えていますね。
カフェタイムやリラックスに最適なスプリングソング
Sweet Thing - Rufus & Chaka Khan
1975年、アルバム「Rufus Featuring Chaka Khan」からリリースされたこの珠玉のR&Bナンバーは、ビルボードR&Bチャートで1位を獲得。
Tony Maiden のギターと Chaka Khan の官能的なボーカルが織りなす甘美なハーモニーは、今なおR&B史上最も美しい楽曲の一つとして語り継がれています。実はこの曲、当初はスローテンポのバラードとして構想されていたものの、バンドメンバーの提案でミディアムテンポに変更されたというエピソードも。その絶妙なグルーヴ感は、午後のカフェタイムにぴったりの心地よさを演出してくれます。
Somewhere Only We Know - Keane
2004年にアルバム「Hopes and Fears」から発表されたこの曲は、今やKeaneの名刺的なナンバーに。
Tim Rice-Oxleyが子供時代を過ごしたSussexの風景をイメージして作曲したという背景を持ち、UK Singles Chartで3位を記録。レトロなピアノのイントロから始まる優しい音空間は、静かな contemplation(深い思考)の時間にふさわしい雰囲気を作り出します。
特に "Oh simple thing, where have you gone?" というフレーズは、カフェのプレイリストとしてもバッチリ。
Someone Like You - Van Morrison
名盤「Poetic Champions Compose」に収録された本作は、Van Morrisonの人間味が最もにじみ出ている一曲。
彼の故郷Northern Irelandでの青春時代の思い出が込められているとされるこの曲は、アコースティックピアノと薄めのストリングスが生み出す温かなサウンドが特徴。穏やかな春の午後に寄り添うような、優しい楽曲として長く愛され続けています。制作時には、わずか一発録りで理想的なテイクが完成したという伝説も残っています。
At Last - Ella Fitzgerald
Ella Fitzgeraldによるスタンダードの金字塔としても知られている、ハートウォーミングなジャズナンバー。
Mack GordonとHarry Warrenによって1941年に書かれた本楽曲を、Ellaならではの優美なボーカルとジョー・パス流のギターアレンジで解釈。重鎮二人の豊かな表現力は、春の午後のカフェで過ごす贅沢な時間にふさわしい格調の高さを備えています。この気品ある佇まいは、他のアーティストには出せない!
春の夜に聴きたいムーディーな楽曲
Dancing in the Moonlight - Toploader
2000年にリリースされたこの楽曲は、1970年代のKing Harvestの名曲のカバーとして大きな話題を呼びました。
アルバム「Onka's Big Moka」に収録され、UK Singles Chartで7位を記録する大ヒットに。原曲の持つ軽やかなリズムを残しながら、より現代的なアレンジを加えた解釈がお洒落!特に印象的なキーボードの音色と、Joseph Washbournのボーカルが生み出す温かな雰囲気は、春の夜空を見上げたくなるような心地よさを感じさせます。
発売から20年以上経った今でも、BBCラジオで定期的にプレイされ続けている人気曲です♪
Say Yes - Elliott Smith
1997年のアルバム「Either/Or」に収録された本作は、Elliott Smithお得意のハンドメイド感溢れる質感が魅力。
繊細なアコースティックギターと、彼特有の囁くようなボーカルが織りなす優しいメロディは、夜の静けさにぴったり。実は失恋をきっかけに書かれた曲ですが、どこか希望的な雰囲気を持つ楽曲として多くのファンに愛されています。映画「Good Will Hunting」のサウンドトラックにも使用され、インディーフォークの伝説として語り継がれています。
Cherry-coloured Funk - Cocteau Twins
1990年発表のアルバム「Heaven or Las Vegas」の冒頭を飾る名曲です。
Elizabeth Fraserの天女のようなボーカルと、幻想的なギターサウンドが創り出す夢のような空間は、春の夜の神秘的な雰囲気と見事にマッチします。このアルバムは、NMEやPitchforkなど多くの音楽メディアで「90年代の最も影響力のある作品」として評価されています。歌詞の意味すら定かではないFraserの独特な歌唱は、言葉を超えた感動を呼び起こす!
Girl from the North Country - Bob Dylan
1963年のアルバム「The Freewheelin' Bob Dylan」に収録された本作は、若きDylanの純粋な感性が光る楽曲です。
イギリスの伝統的なフォークソング「Scarborough Fair」からインスピレーションを得たとされるこの曲は、後にJohnny Cashとのデュエットバージョンでも知られることになります。デリケートなギターピッキングと、初期Dylanならではの瑞々しい歌声が、春の夜の切なさを優しく包み込みます。50年以上の時を経ても色褪せない魅力は、現代のフォークミュージシャンたちにも大きな影響を与え続けているのです。
大人の春に欠かせない80年代の名曲
Just The Way You Are - Billy Joel
1977年にアルバム「The Stranger」からリリースされたこの楽曲は、Billy Joelの「らしさ」が光る一曲。
母親宅のリビングで友人Rob Cohenのピアノ演奏を聴きながら突然メロディが降りてきたという、運命的な誕生秘話も残されています。当時の妻Elizabeth Weberへの愛を綴ったラブソングとして制作されましたが、皮肉にも後に二人は離婚。しかし、その普遍的な歌詞と美しいメロディにはうっとりですよね。
グラミー賞をダブル受賞し、ビルボードチャートでも3位を記録。じわっと染み渡るエレピの旋律は、春の夜に聴くと一層心に響きます。
Time After Time - Cyndi Lauper
1983年のデビューアルバム「She's So Unusual」に収録された本作は、Cyndi Lauperの真骨頂とも言えるミドルバラード!
彼女とRob Hyman(The Hooters)が共作したこの曲は、ビルボードHot 100で1位を獲得。制作時、二人はスタジオで朝まで話し合いながら楽曲を仕上げたというエピソードも。空間系・フィルター系エフェクトが効いたイントロと、若きLauperの感情豊かなボーカルが織りなす世界観は、80年代のポップシーンの「華」を感じますね。
Right Here Waiting - Richard Marx
1989年のアルバム「Repeat Offender」からのシングルカットで、Richard Marxの最大のヒット曲となりました。
当時、女優として活動していた妻のCynthia Rhodesとの遠距離恋愛をモチーフに書かれた楽曲で、ビルボードHot 100で1位を獲得。シンプルなピアノとガットギターのアレンジが、切ない歌詞をより一層引き立てています。
出会いと別れの季節に、待ち人を想う皆さんも多いのでは?
Eternal Flame - The Bangles
1988年にアルバム「Everything」からリリースされた本作。
Susanna Hoffsの透明感のあるガーリーな歌声と、派手めのハーモニーと春っぽいドリーミングなアレンジが見事に調和した楽曲は、UK Singles Chartで1位、ビルボードHot 100で5位を記録する大ヒットとなりました。
実は、この曲のインスピレーションは、エルヴィス・プレスリーの眠る地・グレイスランドにある「永遠の炎」から得たという逸話も。
春の訪れを感じる、おしゃれな洋楽コレクション:まとめ
春という季節は、私たちの心に特別な響きをもたらしてくれます。朝の清々しい空気、昼下がりのカフェで過ごす穏やかな時間、夜の静けさの中で感じる郷愁。そんな一日の移ろいに寄り添うように、音楽もまた、私たちの感性を優しく包み込んでくれます。
Cat StevensやJohnny Nash、Bob Marleyの楽曲が朝の始まりに活力を与え、OneRepublicやThe Cranberriesが春の陽気とともにドライブや散歩を彩ります。
午後のひとときには、Rufus & Chaka KhanやKeaneの楽曲が、珈琲の香りと共に心地よい時間を演出。
夜になれば、CocteauTwinsやBob Dylanの楽曲が、春の夜ならではの物思いに寄り添ってくれます。
時代も、ジャンルも、シーンも異なるこれらの楽曲には、ひとつの共通点があります。それは、春という季節が持つ「新しい始まり」と「懐かしさ」という相反する魅力を、見事に表現しているということ。新芽の息吹と共に感じる期待感、そして桜が散りゆく刹那に覚える儚さ。そんな春ならではの感情の機微を、音楽は私たちに教えてくれるのです。
このプレイリストが、あなたの春の日々に、そっと寄り添うBGMとなれば幸いです。今回の春をより一層特別なものにしてくださいね!