アフィリエイト広告を利用しています

ロック

クイーン「フラッシュ・ゴードン」:9枚目のアルバムを解説。収録曲とレビュー

「フラッシュ・ゴードン QUEEN アルバム解説」と記載したアイキャッチ

クイーンの長い歴史において、映画サウンドトラック(インストゥルメンタルが中心)という新たな領域に挑戦した意欲作、「Flash Gordon(フラッシュ・ゴードン)」

このアルバムは、バンドが映画のために制作した最初のサウンドトラックであり、その独特の音楽性と、映画と音楽の融合における革新性で注目を集めました。

今回は、そんなクイーンの9枚目のオリジナルアルバム「Flash Gordon」にスポットを当て、その魅力と内容を深堀りしていきます。

QUEEN 9枚目のアルバム「Flash Gordon(フラッシュ・ゴードン)」概要

販売年月日: 1980年12月8日
収録曲数: 全18曲
セールス: 詳細なデータは公開されていないが、クイーンのアルバムの中では特異な位置づけにある
アルバムの特色: 映画「フラッシュ・ゴードン」のために制作されたサウンドトラックであり、インストゥルメンタルトラックを多く含む。クイーンの音楽と映画の視覚的要素が融合した、ユニークな作品。
参加メンバー: Freddie Mercury (フレディ・マーキュリー), Brian May (ブライアン・メイ), Roger Taylor (ロジャー・テイラー), John Deacon (ジョン・ディーコン)
プロデューサー: QueenとMack
エンジニア: Mack(レコーディングエンジニア・ミックスエンジニア)、Alan Douglas(ミックスダウン)George Marino(マスタリングエンジニア)
収録スタジオ: The Town House, The Music Centre, Advision Studios
レーベル: EMI Records、Elektra Records
特別エディション: 2011年にリマスター版が発売。ボーナストラックや未発表曲が含まれている。

収録曲:解説とレビュー

1. Flash's Theme (フラッシュのテーマ)

  • 作詞作曲: ブライアン・メイ

アルバムのオープニングを飾る「Flash's Theme」は、映画の主人公フラッシュ・ゴードンへの壮大なオマージュです。

Brian Mayのギターワークと壮大なオーケストレーションが、英雄的な雰囲気を作り出し、聴く者を一瞬にして映画の世界へと引き込みます。

映画の象徴的なフレーズ「Flash, ah-ah, Savior of the Universe!」を特徴としており、そのキャッチーなメロディは多くの映画ファンや音楽ファンの心をしっかり掴みました。

2. In the Space Capsule (The Love Theme) (フラッシュ・ゴードン愛のテーマ)

  • 作詞作曲: ロジャー・テイラー

Roger Taylorによる「In the Space Capsule」は、微細なシンセサイザーの旋律が特徴のインストゥルメンタルトラックです。

宇宙の孤独と広大さを音楽で表現してあり、映画の愛のテーマを繊細に描き出しています。
映画のストーリーを包括したサウンドデザインの巧みさが光る一曲で、静かながらも未知への恐怖感のようなものを与えます。

3. Ming's Theme (In the Court of Ming the Merciless) (ミン皇帝のテーマ)

  • 作詞作曲: フレディ・マーキュリー

この不気味で魅力的なトラックは、映画の悪役、ミングを表現しています。Freddie Mercuryの創造性が光る楽曲で、シンセサイザーとキーボードが織り成す音のレイヤーが、ミングの邪悪さと彼が君臨する宮廷の威厳を音楽的に描写しています。

4. The Ring (Hypnotic Seduction of Dale) (ザ・リング)

  • 作詞作曲: Freddie Mercury

「The Ring (Hypnotic Seduction of Dale)」は、映画内でデイルがミング皇帝によって催眠術にかけられるシーンのために制作されました。

幻想的でありながらも不穏な雰囲気を持ち合わせており、催眠術の魔力を音楽で表現しています。
繊細なキーボードの旋律と、背後で響く神秘的なサウンドスケープが、デイルの心理状態とミングの邪悪な計画を聴き手に伝えます。

5. Football Fight (フットボール・ファイト)

  • 作詞作曲: フレディ・マーキュリー

エネルギッシュでリズミカルなこのトラックは、映画内での緊張感あふれるシーンを盛り上げます。
シンセサイザーを駆使したダイナミックなサウンドと速いテンポが特徴で、リスナーをアクション満載の場面へと誘います。

6. In The Death Cell (Love Theme Reprise) (死の独房)

  • 作詞作曲: Roger Taylor

「In The Death Cell (Love Theme Reprise)」は、フラッシュが処刑を待つシーンに対応した劇伴曲です。

このトラックでは、Roger Taylorが「In The Space Capsule (The Love Theme)」のメロディを再解釈し、より内省的で暗い雰囲気を作り出しています。愛のテーマが再び登場することで、フラッシュとデイルの間の絆の強さを音楽を通じて強調し、不安と希望が交錯する心情を描き出しています。

7. Execution of Flash (フラッシュの処刑)

  • 作詞作曲: ジョン・ディーコン

John Deaconによるこの曲は、映画の緊張感の高まる瞬間を音楽で描いています。リスナーの心拍数を上げること間違いなし。

8. The Kiss (Aura Resurrects Flash) (ザ・キス)

  • 作詞作曲: フレディ・マーキュリー

優美なSEが、希望と愛のメッセージを伝えます。
サウンドの細かい処理ひとつとっても、シーン毎にクイーンが映画のために音楽を細やかに作り込んでいるかがわかる一例です。

9. Arboria (Planet of the Tree Men) (森林惑星アーボリア)

  • 作詞作曲: ジョン・ディーコン

映画の中の神秘的な場所を音楽で表現しています。穏やかで、どこか懐かしい旋律が、未知の世界への探求心を刺激します。
静寂の中での会話が響きます。

10. Escape from the Swamp (エスケイプ・フロム・ザ・スワンプ)

  • 作詞作曲: ロジャー・テイラー

Taylorが提供するこのトラックは、映画での緊迫した逃走シーンをサポートします。

パーカッションとシンセサイザーの効果的な使用が、迫り来る危険と勇敢な逃走を音楽的に描き出しています。
リズムの変化と音のレイヤーがリスナーの想像力を掻き立て、音だけでも映画の一場面を目の前に再現するかのようです。

11. Flash to the Rescue (フラッシュ・トゥ・ザ・レスキュー)

  • 作詞作曲: ブライアン・メイ

力強いメロディと勇敢なテーマが、英雄フラッシュ・ゴードンの不屈の精神を音楽で讃えています。

これを聴くと、とくに理由もなくアドベンチャーへ出かけたくなります。

12. Vultan's Theme (Attack of the Hawk Men) (鷹人間バルタンのテーマ)

  • 作詞作曲: フレディ・マーキュリー

空を支配する鷹人間たちの威風を音楽で見事に表現しています。
こういうシンセ音やサウンドエフェクトを聴くと、空中での激しい戦いの緊迫感にイメージが直結するのが不思議ですが、アニメやその後のSF映画でもこういうサウンドデザインが広まったのもクイーンのおかげかも知れませんね。

13. Battle Theme (宇宙戦争のテーマ)

  • 作詞作曲: ブライアン・メイ

戦闘シーンを彩る、Brian May作のダイナミックないつものクイーンらしい楽曲です。

激しいギターリフとドラムが、戦いの緊迫感と興奮を高めます。
クイーンの音楽自体が映画並みの世界観をすでに持ち合わせているので、他の映像とシンクロさせるとなると、そこからいかに「引き算」していくのか。という部分が難しそうです。

14. The Wedding March (ザ・ウェディング・マーチ)

  • 編曲: ブライアン・メイ

この楽曲は、映画内でのデイルとミングの強制的な結婚式のシーンに使用されています。
Brian Mayが伝統的な「結婚行進曲」を独自にアレンジしたもので、ギターによる堂々としたメロディが特徴です。

15. Marriage Of Dale And Ming (And Flash Approaching) (デイルとミン皇帝の結婚)

この楽曲は、デイルとミングの強制的な結婚式が行われるシーンと、それを止めに入るフラッシュの勇敢な行動を音楽で描いています。

映画のこの重要な転換点にドラマと緊張を加えています。
このトラックが映画のクライマックスシーンを盛り上げるのに貢献していると評価されています。

16. Crash Dive on Mingo City (ミンゴ・シティへ急降下)

  • 作詞作曲: ブライアン・メイ

映画のクライマックスに向けたフラッシュの勇敢な行動を音楽で描いたトラック。

緊迫したギターリフとドラミングが特徴で、クイーンが映画のためにどれだけ緻密にサウンドトラックを作り上げたかを示す、見事な例です。

17. Flash's Theme Reprise (Victory Celebrations) ((フラッシュのテーマ/勝利の祝賀))

  • 作詞作曲: ブライアン・メイ

アルバムの締めくけとして再び登場する「Flash's Theme」のリプライズは、映画の勝利のシーンを祝福する楽曲です。

このリプライズを通じてクイーンが映画の物語の流れを完璧に捉え、感動的なフィナーレを音楽で描き出したことを評価しています。ファンにとっては、映画のエンディングを美しく彩るこのトラックが、『Flash Gordon』の物語を完璧に締めくくるものとして、特別な感情を呼び起こします。

18. The Hero (ザ・ヒーロー)

  • 作詞作曲: ブライアン・メイ

アルバムの実質的な終曲「The Hero」は、映画『Flash Gordon』の英雄たちを讃える壮大な楽曲です。

パワフルなギターワークと、強力なボーカルパフォーマンスが、映画の英雄的なテーマを強調します。
この曲では、勝利後の高揚感と、英雄たちの栄光を祝う雰囲気が見事に表現されており、映画の物語を音楽で再現するクイーンの能力を改めて証明しています。

アルバムの特徴がわかる、レーダーチャート

QUEEN 9枚目のアルバム「Flash Gordon(フラッシュ・ゴードン)」の特徴を示したレーダーチャート

アルバム・ジャケット

クイーンの9枚目のアルバム『Flash Gordon – フラッシュ・ゴードン』は、1980年にリリースされたサウンドトラックアルバムです。

このアルバムは、同名の映画『フラッシュ・ゴードン』のために制作されました。アルバムと映画は、1930年代に始まった有名なアメリカのSF冒険コミックシリーズを基にしています。

アルバムジャケットのデザイン

  • カバーアート: アルバムカバーは、映画『フラッシュ・ゴードン』のロゴビジュアルを配置した特徴としており、強烈なイエローカラーと構図で、SFと冒険の雰囲気を強調しています。
  • ビジュアルスタイル: ジャケットデザインは、映画のアクションとエネルギーを捉えており、クイーンがサウンドトラックを手がけたことを示すテキストが含まれています。このデザインは、映画と音楽の両方のファンを魅了するようなものとなっています。

チャート順位

このアルバムは、英国でのチャートで最高10位に、アメリカのBillboard 200で最高23位にランクインしました。
日本では、オリコンアルバムチャートで最高12位を記録しました。

このサウンドトラックは、クイーンによる最初の完全な映画音楽であり、彼らの音楽キャリアの中でもユニークな作品となっています。
アルバムからのシングル「Flash」は、特に覚えやすいコーラスとダイナミックなアレンジメントで知られ、映画の主題歌としても使用されました。

このアルバムとシングルの成功は、クイーンがロックバンドとしての枠を超えて多様な音楽的才能を持っていることを証明しています。

世間の評価(評論家・ファンの評価)

このアルバムは、映画のサウンドトラックとしての特性上、クイーンの他のスタジオアルバムとは異なる評価を受けています。

批評家からの評価

  • ミックスドレビュー: 『Flash Gordon』は批評家からミックスドレビューを受けました。一部の批評家は、クイーンが映画のために作った音楽が映画の雰囲気にぴったり合っていると評価しました。特に、インストゥルメンタルトラックが多い中で、バンドの実験的なアプローチと音楽的な多様性を高く評価する声もありました。
  • 音楽性の変化に対する評価: 他方で、クイーンの典型的なロックサウンドを期待していたリスナーからは、アルバムの大部分がインストゥルメンタルであることに対して、やや肩透かしを食らったと感じる評価も見られました。

ファンからの評価

  • ファンの反応: クイーンのファンからは、『Flash Gordon』アルバムに対してさまざまな反応がありました。映画を観たファンの中には、映画のシーンと結びついた楽曲が好評で、サウンドトラックとしての価値を高く評価する声があります。
  • カルト的人気: また、このアルバムは一部のファンの間でカルト的な人気を誇り、クイーンのディスコグラフィーの中でもユニークな存在として楽しまれています。特に「Flash's Theme」は、クイーンのライブで演奏されることもあり、ファンから愛されている曲の一つです。

クイーン 9枚目のアルバム「Flash Gordon(フラッシュ・ゴードン)」解説のまとめ

クイーンの9枚目のアルバム「Flash Gordon」は、映画サウンドトラックとしての彼らの初の試みであり、その成功は彼らの音楽的才能と多様性を改めて世に示しました。

映画のビジュアルと物語を音楽で(主に劇伴として)再現し、さらにはその音楽を通じて映画を超えた新たな物語を紡ぎ出すことに成功しています。
このアルバムは、クイーンがただのロックバンドに留まらず、幅広い音楽表現が可能なアーティストであることを証明した作品として、今も多くのファンに愛され続けています。

「Flash Gordon」の映画を観たことがある人はもちろん、そうでない人もクイーンの音楽を通してこのエピックな冒険に参加してみてはいかがでしょうか。

2024年3月31日(金)、ヒューマントラストシネマ渋谷、 新宿シネマカリテなどで公開される映画「フラッシュ・ゴードン 4K」も楽しみ



その他のクイーンのオリジナルアルバムの情報

created by Rinker
ユニバーサル

-ロック
-